【結局形が見つからない】
ルーニーとファン・ペルシーの怪我に振り回された感はありますが、基軸となるべき形が見つからないシーズンでした。ギグス就任4試合で、古き良きに帰れと思ったのですが、4試合観ていると1,3試合目は悪くなかったものの、2,4試合目は頭を傾げたくなる人選と采配でよくわかりませんでした。そんなところまでモイーズとファーガソンの悪いところを受け継がなくても、と思わずにはいられません。
もっとも基軸とすべき選手が、と言ってしまえばそれまでなのですが、腹のくくり方が皆足りなかったとも言えます。一種の悲劇と言えば悲劇なのですが、改革か踏襲か、というのはなかなか難しい話で、一歩間違えて転げ落ちてしまうとプレミアの坂は急ですので7位まで落ちることになってしまいました。
ギグスと雛鳥コーチ陣がどこに夢を見たのかはわかりませんが、フレッチャーの前にマタと香川を並べてポゼッションして崩すとか見えたのでしょうか。多分眼科に行ったほうがいいかと思われます。アラフォーなのでそろそろ老眼かもしれません。
守備に目を瞑るとして(瞑れないほどひどかったですが)攻撃に転じた際も、サウサンプトンがきっちり押し上げてプレッシャー掛けて来たので、軽々とボールロストしていました。あれじゃカウンターにもならず、広大なスペースが待ち構えていたはずの前線の3人はどうしようもありません。仮にポゼッションしてもサポートも遅く、どうゲームメイクしていくのかがさっぱり見えなかったので、あれ以上どうにかしろと期待するほうがおかしな話でした。もっともそんなところまで追い詰めてしまう形を起用したベンチワークがお話になりませんでしたので、どっちも悪いという結論に行き着くのですが、フレッチャーへの罰ゲームに他ならない前半でした。気の毒でしかたありません。
順位確定してアウェーゲームってことで単純に舐めていましたよね、一応順位的には一つ下で勝ち点56確保した相手なのですけど。
走らないし走れないし、どうしていいのか分からないのではどうしようもありません。ギグスにはこのあたり整理して欲しかったのですが、最後までダメでした。シンプルにするだけで良かったんですが、「バルセロナ病」はどうも深刻みたいで。結果的にスコアは1-1ながらも主要スタッツではやられっぱなしでした。
結局、スタイルと形に悩みっぱなしのシーズンであったという他無いのですが、悩むほどの手駒がいるようにも思えず、現実と理想のギャップに押し潰されそうな一年でした。ファーガソン退任後の不安要素が見事花開いてしまった形であり、創造的破壊の為には仕方ないものなのかもしれません。が、ファーガソン・マネージメント・メソッドが古い手法であるかについては個人的には懐疑的であり、あれはあれで唯一無二ながら出来ることならば踏襲すべきであったと考えます。となると内部経験者がマネージャーに収まるべきなのですが、ギグスは期待と不安を見せており、創造的破壊にはうってつけのファン・ハールという名前が上がっていることも、ある意味では納得できます。
このような節目のシーズンにプレミア全節で拙いコラムを書いてきましたが、文字にして整理するということは改めて大事であると感じずにはいられません。全試合読み返しても、褒めていたり貶していたり、主張が一貫しないことも多々あった様に思えますが、ユナイテッド同様、大目に見ていただければと思います。
アウェーにもかかわらず最後に楽しんでいたサポーターの様に、最終節はライトな文体で書き進めましたが皆さんいかがでしたでしょうか。来シーズンも不透明感たっぷりですが、ビールの美味しいツマミになるものが見られれば、と思います。ツマミになるようなコラムも書けるようになれればいいのですが、あまり期待せずに頂きたいと思います。
筆者名:db7
プロフィール:親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。
ツイッター:
@db7seven