私がまだ小学生になったばかりの頃に見た、ひとつのゴールを思い出した。後方からのフィードは、抜け出したフォワードと飛び出した相手キーパーのちょうど間に落ちそうな軌道を描いていた。そのストライカーは、ほんの0コンマ数秒早くボールに触れるかというイーブンな状況で、背中からやってきたボールをつま先でいなすと、その足でショートバウンドしたボールをヒールで叩きつける。キーパーの頭上を抜く鮮やかなループシュートが決まった。

パトリック・クライファートは私が大好きなプレーヤーだった。彼には、恵まれた体格と超人的なバネ、そして抜きんでた足元の技術も備わっていた(ズラタン・イブラヒモヴィッチを初めて見た時にも、クライファートに似たショックを感じたことを覚えている)。そして彼は2004年、ブラウグラーナのユニフォームに別れを告げ、ジブラゼッケンに身を包む選択をする。イングランドにまた、外国籍のビッグネームがやって来た瞬間だった。

今回のコラムではずばり、プレミアリーグと、リーガ・エスパニョーラをはじめとするその他の欧州主要リーグの関係性、についてお話したい。近年はドイツ・ブンデスリーガにも後塵を拝するかたちのプレミア勢。それに対する極々個人的な見解を述べさせていただこう。ただ、その前に断りとして述べておきたいのは、私が各国のフットボールに善悪はもちろん、優劣をつけるつもりがないこと。そして私がセント・ジョージの旗を深く、愛しているという2点である。