その育成でことごとく失敗しているのがイタリアです。
マリオ・バロテッリやマルコ・ヴェラッティなど、優秀な若手がいる事は確かですが、かつてはバレージ、マルディーニ、カンナヴァーロにネスタなど、ワールドクラスのレジェンドがDFラインに並んでいましたが、イタリア代表の現在のスタメンはCBがキエッリーニ、バルザーリ、ボヌッチのうちの誰か2人もしくは3人、SBはアバーテ、デ・シーリオ、ダルミアン(ワールドカップではサプライズ選出と言われましたが悪くないプレーをしていました)のうち2人が出場するといった面子であり、この中で優秀な若手は、レアル・マドリーも狙っているとしばしば報じられるデ・シーリオただ一人です(ワールドカップでは低調なパフォーマンスに終りました)。
イタリアの中ではミランは育成に力を入れている方ですので、今後デ・シリオのような優秀な若手が出てくる事はFIGCとイタリア人にとって好都合ですが、国全体の育成が正直言って、イマイチです。
未だアッズーリとユヴェントスのチームの中心であるブッフォンとピルロもいつパフォーマンスが劇落ちしてもおかしくない年齢ですし、いい加減育成に力を入れなければならないでしょう。さらに、先日には名将としてミランを指揮していたアリゴ・サッキがFIGCの育成部門の責任者を辞任するなど、イタリアの選手育成界にとっては非常に危機的な状況です。
それに対してドイツはキャプテンのラームやクローゼ、ヴァイデンフェラーらこそベテランですが、スタメン、控えを見ても若手の比率が非常に高く、運動量も非常に高いため、疲れによる交代はさほど必要ではなく、戦術的な交代を多めに行う事が出来ます。
そんな中にも、シモーネ・スクフェット(ウディネーゼ)やハキム・マストゥール(ミラン)といった優秀な若手が出ている事は好ましい事ですが、いずれにせよ若手の育成が絶望的なのは変わりない事ですし、FIGCはもっとクラブに呼びかけるなど、何かしらの政策が必要となってくる事でしょう。
今回は「若手育成」をテーマにしたドイツとイタリアの話をしました。初めてのコラムという事もあり、読みにくい物となっていると思いますが、楽しんで頂けたと思います。
ドイツ人は皆、育成に力を入れたから結果が実ったと言いますが、本当にそれは事実だと思います。これからは、このようにドイツ人の間で話題になっているフースバルの(ドイツ語でフットボールの意味)話を自分なりに書いて皆様と共有したいと思っております。
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筆者名:ケント・シュナイダー
プロフィール:「現在ベルリンに留学中の現役日本人高校生。フットボールを愛する国、ドイツでのフットボールについての話や、ベルリンで決勝が行われるCLについて執筆。」
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