【新戦力たち】

結果4-0の快勝だったわけだが、新戦力について個別に触れてみたい。

ロホは左サイドバックとしてプレーし悪目立ちすることなく無難にプレーをこなしていた。プレミアデビューも戸惑いや硬くなっている印象は全くなく、この試合に限って言えば逆に普通にプレーしすぎて違和感が無かったほどだ。代表でもチームメイトのディ・マリアと同じサイドでプレーし、リズムや呼吸が分かった味方がいるというのがいい影響を与えていたようにも見えた。いいオーバーラップも見せており未知数なところはあるが今後もこの調子でプレーしてもらいたいものだ。

ブリント。攻撃面でスペシャルだったディ・マリアを除けば間違いなくマン・オブ・ザ・マッチ級の活躍であった。知性的な整った顔立ちはプレーにも現れており、バックラインでボールを回す際でのサポートする動き非常に秀逸であった。ボールを受けにいく動き、受けに行くタイミング、捌くリズム、後半QPRが少し出てきた時にも慌てること無く対応してボールに絡み続けていた。プレーのひとつひとつにフットボールIQの高さが滲み出て見て取れ、アヤックスの英才教育の賜物なのか、開始10分見ただけで3列目の選手としてクレヴァリーよりも100倍いい選手であることははっきりとした。

そしてディ・マリア。先述の2人とは異なり先に一試合終えているが、この試合ではより自由を得てプレー。結果と内容は見ればお分かりの通り、彼に7番がふさわしいことをトラフォードの住人たちに魅せつけた。前を向いてボールを持った時の期待感はクリスティアーノ・ロナウドのそれに近く、ここ数シーズン見られなかった鋭いカウンターと縦への素早く力強い推進力が一気に戻ってきそうな気配が感じられた。ロナウドほど1人でフィニッシュまで持っていく力は無いように見えるが、別途高精度のパスと判断力を持っているので、前線の選手は信じて走り込めばボールはやってくる。マタへのアシストは圧巻の一言に尽きるだろう。

ゲームを作っていたわけではないがビルドアップには積極的に絡んでおり、ブリント、ロホ、ディ・マリアの左利きのトライアングルがより成熟してくればユナイテッドにとってストロングポイントの一つになりそうな可能性を充分に感じさせた。

ファルカオに関しては準備に時間があまりにもなさすぎて、慣らし運転に終始してしまったので割愛させていただこう。少しだけ触れるならばバランスと並びはどうであれ、ファンペルシー、ルーニー、ディ・マリア、ファルカオと並ぶ前線の威圧感には否応なしにワクワクしてしまう。