前置きがやや長くなってしまったが、今回のYSCC戦で町田の決勝弾を決めたのが、リーグ屈指のプレースキッカーである鈴木崇文。その26歳のレフティと相手GK高橋拓也の駆け引きがなかなか面白かったので、YouTubeに上がっていた動画で紹介したい。
実はGKの高橋、前回対戦した6月の試合でも、同じく後半アディショナルタイムに鈴木のフリーキックで決勝弾を許しており、今回はいわば“リベンジ"の舞台。前回やられたニアサイドに味方選手を配置していることからも鈴木への警戒心がうかがえる。
ただ、今回はよりゴール正面に近い位置であったため、町田もひと工夫。金沢の壁ができた後、最近のJリーグでよく見られる壁の前と間に味方選手を置き、GKからボールを隠すことを重視。撮影位置がちょうどボールとGKの延長線上であることから、GKの視界を感じ取ることができるだろう。本当にボールが見えないのだ。(その後、右にいた25番の星野悟もさりげなく寄ってきて“ポジション"に入っている)
こうなれば後はもう、キッカーの動きから蹴るタイミングを計り、読みと反応の勝負。ニアに味方を置いたため通常以上にファーサイドを守るのがセオリーであったが、高橋はやはり前回やられたイメージが残っていたのか、とっさに左へ反応。ボールは見事にその逆を突き、町田の選手を越えてから鋭く落ちてゴールネットを揺すったのだった。お見事!
こちらが前回のフリーキック。今回と同じ94分の劇的弾であり、鈴木の左足が再び大きな勝ち点3をもたらした。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ