昨季ベティスからウェストハムに移籍し、昨季途中からゴールマウスに君臨している守護神アドリアン。今月3日に28歳になった彼のキャリアをざっと振り返ってみよう。

セビリア生まれのアドリアンは10歳で地元ベティスに入団。ベティスでは全ての年齢別カテゴリーでプレーし、2012-13シーズンに25歳にしてトップチームに昇格。当初は第3GKだったが、ファブリ、カストといった経験あるGKを押しのけ、正GKの地位を奪取する。

まさに生え抜きという選手だったがベティスとの契約は延長せず、翌2013-14シーズンにフリーでウェストハムへと移籍した。

16年を過ごした地元クラブを離れ、ウェストハムと3年契約(チームオプションで+2年)を結んだ際には「とても幸せだし、ロンドンとイングランドにおいて伝説的かつ歴史的なクラブに加わることができて最高です」とコメント。また、先発した31試合中11試合でクリーンシートを記録し、ベティスをEL出場に導けたことについては、「(EL)出場権獲得はベティスファンへのとても大きなお別れの贈り物になった」とも述べていた。

移籍金なしで獲得したアドリアンについて、ウェストハムを率いるアラダイス監督は当時から掘り出し物をゲットできたと確信しており、当初は大ベテランのヤースケライネンを起用しつつ、アドリアンが順応するにつれて出場機会を与えた。長身でサイズ的にはプレミア向きだったアドリアンはその真価を徐々に発揮し出すと、昨年1月・2月にはウェストハムファンが選ぶ月間MVPに連続で選出。ハマーズファンのハートをがっちり掴んだだけでなく、ウェストハム史上最高のGKとも言われるフィル・パークスからも絶賛を受け、今後数年は正GKに君臨するだろうとお墨付きを貰った。

今やプレミアリーグのゴールマウスを任されているアドリアンだが幼い頃はFWだったそう。GKになったきっかけは、9歳の頃にアルタイルというチームでプレーしていた際にGKがおらず、コーチからやってくれないかと頼まれたからだとか。その翌年にベティス入りしており、なにか運命めいたものを感じさせる出来事でもある。

25歳でのトップ昇格というのはかなりの遅咲き。これからも応援したくなる選手である。

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