この日先発したチャビは86分にアンドレス・イニエスタと交代したのだが、カンプ・ノウのサポーターは万雷の拍手でこれを出迎え、デポルティーボの選手も敬意を表していた。

交代した後も、チャビコールが鳴りやむことはなかった。

試合が終わり、各種セレモニーが行われた。

ここではルイス・エンリケ監督やキャプテンであるアンドレス・イニエスタが挨拶を行ったのだが、同時に行われたのはチャビの退団セレモニーだった(該当シーンは00:32から)。

チャビというプレーヤーは、どちらかと言うとクールなイメージがある。試合中に激高することは少ないし、感情を爆発させるシーンもあまりない。しかし、自身のキャリアを振り返る映像を目にすると感情を抑えきれなかったようで、涙を浮かべながらサポーターの対して感謝の気持ちを述べた。

チャビがここまで涙するのは珍しい。チャビにとっての24年間は、それほどまでに濃密でありそれほどまでに華やかなものだったのだろう。

挨拶を終えたチャビはスタジアムを一周し、愛するファンに別れを告げた。

そしてメインスタンドの方へと戻ってくると、チームメイトたちは背中に"6"と書かれたシャツに身をまとい、胴上げで偉大なるレジェンドを送り出した。

バルセロナ通算765試合出場。

チャビ・エルナンデスに残されたバルセロナでのゲーム数はあと「2」だ。

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