「プロダクトを使用するプレーヤーと同じように、デザインする私たちも常にイノベーションを求め、可能性の限界に挑戦しています」と語ったのは、Nikeフットボールのフットウェア・シニアデザインディレクター、ネイサン・ヴァン・フック氏。
『ハイパーヴェノム2』は、試合を決定づける動きを可能にする、高い俊敏性を発揮するためのスパイクにすることを主眼に開発された。
「足の研究によって導かれた最高レベルのデザインです。スパイクに見られるすべての線は、足の自然な屈曲を元に描かれています。フライワイヤーは足をしっかりと安定させてスパイクの中でずれることを防ぎます。このスパイクは足のために、というよりも足と一緒に機能するようにデザインしています」
フットウェア・デザイナーのフィル・ウッドマン氏は開発過程についてこう語る。
「チームのメンバーとともに、シンプルな作業から始めました。白いソックスを履き、フットボールの様々な動きにあわせて足を屈曲させて、その上から何度もスプレーで塗料を吹き付けました。そして足を元の状態に戻すと、ペンキが付いていない白い線がしっかりと屈曲できるようにすべきポイントだとわかります。この作業の後にナイキスポーツ研究所を訪れ、究極の俊敏性を生み出すためにどうしたらスパイクと足を最適な形で連動させられるのか、科学者の意見をもらいました」
左からネイサン・ヴァン・フック氏とフィル・ウッドマン氏。そして一番右が、フットウェア担当副社長のマックス・ブラウ氏だ。
「ハイパーヴェノムはプレーヤー達に愛されています。だからと言ってそれより良いものが作れないというわけではありません。最高のスパイクにするためには、躊躇せずに必要な変更を施していきます。ハイパーヴェノムを着用するタイプのプレーヤーは最高のものを求めるからです」
彼らを中心に開発された『ハイパーヴェノム2』。着用選手は前述のネイマールやルーニーのほか、ロベルト・レヴァンドフスキ、ハリー・ケイン、さらに今年のアジアカップで大活躍したUAE代表の司令塔オマール・アブドゥラフマンなどなど。大久保を含めやはりアタッカーの選手が圧倒的に多い。
ルーニーが持っているのは、『マーキュリアル ヴェイパー10』や『マジスタ オーパス』と同じフライニット&ダイナミックフィットカラー未採用のトップモデル、『ハイパーヴェノム フィニッシュ』。
一般店舗では主にこちらのHGモデルが展開されることになる。価格は21,060円(税込)。ちなみに、フィニッシュの綴りは「Finish」をアレンジした「Phinish」だ。