タイ・リーグの急成長が始まったのは2006年頃からだ。
フットボールの本場であるイングランド・プレミアリーグの運営方式を取り入れ、国内リーグにプレミアリーグの名を冠した。参戦するクラブ数も当初10チームだったのが、12、16、18と増え続け、2014年からは20チームが参加している。国王や政治家が国を挙げて、サッカーの底上げをしてきた結果、クラブも代表チームも見違えるように強化された。
商業面を見てみると、タイ・プレミアリーグのクラブは、ユニフォームを自前で用意しているアーミー・ユナイテッド、ブリーラム・ユナイテッド、チャイナート、チェンライ・ユナイテッドを除いて、その他の全クラブが国内外の一流メーカーとユニフォームサプライヤー契約を結んでいる。
放映権については、タイの大手衛星ケーブルテレビ、トゥルー・ビジョンが5700万USD(約68億円)で獲得。選手の平均年俸は3万5000USD(約418万円)にまで上昇。タイ経済界の大物らがヨーロッパのクラブを次々と買収しているほか、タイ・ビバレッジをはじめとした大企業がヨーロッパのクラブに協賛している。こうした動きは、全てこの10年以内に起きたもの。この10年がタイサッカー界において、いかに激動の10年だったかを窺い知れよう。