88分、ウムト・ブルトが倒され、ゴールまで25mほどの距離でトルコがフリーキックを獲得したのだ。

この時、フリーキックの名手であるハカン・チャルハノールはすでのベンチへと下がっていた。「ハカン・チャルハノールがいれば…」と多くのファンは思ったはずだが、トルコ屈指のゲームメーカーが彼に負けない見事なキックを見せる。

試合終了間際の89分、セルチュク・イナンがゴール左隅を突く完璧なフリーキックで劇的なゴールをあげたのだ!

ボールがネットに吸い込まれれた瞬間、観客たちは歓声をあげ、ベンチの選手たちはセルチュク・イナンのもとに駆け寄った。

このゴールによってトルコの3位を確実なものとなり、スタジアムは熱を帯びたままタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。混戦の様相を呈していたグループAは、トルコがオランダを蹴落とし3位でフィニッシュした。

そして試合後、さらに嬉しい知らせが待っていた。

他会場で行われていたイタリア対ノルウェー戦が2-1で終了し、カザフスタンがラトビアに勝利したことによりトルコが3位チームの中で最優秀成績を収めることになり、土壇場で本大会への出場権を手にしたのだ。

この報を聞いた直後のアルダ・トゥランとセルチュク・イナンの熱い抱擁が印象的である。

トルコが主要国際トーナメントに進出するのは、EURO2008以来のこと。8年ぶりに決めたEURO出場は、あまりに劇的な幕切れであった。

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