一方、自動車用のワイヤーハーネス(電線)や各種メーター、それに家庭用の太陽熱温水器を生産する「矢崎総業株式会社」は、この状況を逆手にいろいろな問題を上手くクリアした例と言えます。
≪矢崎総業のブース、全体ロゴの下に付いていた「ワイヤーハーネス生産75周年」≫
プロサッカーリーグの発足が決まった1991年、後の「J1オリジナル10」のうち、4つが自動車メーカーを母体としたクラブでした。仮に矢崎がどこか特定クラブのスポンサーになった場合、協賛の面において他社との関係が微妙なものになったでしょう。
しかし、そこで「静岡は清水FCがプロ化」というニュース。1929年の創業地は東京でしたが、戦時中から積極的に静岡県内へ進出し、既に実質的な本社機能は静岡県東部の沼津市に移っていた矢崎総業にとって、清水エスパルスは「地元チーム」でした。
また、同社にとってはエスパルスがどこの系列でもない「市民球団」なのも好条件でした。発足当時のJクラブはまだ親会社への依存度が高く、各クラブのスポンサーは親会社の資本系列や取引関係で決まる例が多かった中、矢崎総業の判断はJリーグ理念の「地域密着」に沿っていましたし、各自動車メーカーとの関係でも賢明な判断だったでしょう。
こうして、元々グループ内に東海社会人リーグの強豪「矢崎バレンテ」を持ち、サッカーへの理解が深かった矢崎総業はクラブ発足時からエスパルスのスポンサーを続け、2014年にはパンツに「YAZAKI」のロゴを入れるほどに支援しました。
J2降格となる2016年シーズンも、沼津の隣の裾野市に本社機能と生産拠点と居住エリアを集積したグループ全体の中核拠点、「Y-CITY」を1998年に建設した矢崎総業がエスパルスのスポンサーを続ける可能性は強いという印象を受けました(矢崎・エスパルス双方からの発表はまだありません)。
・矢崎総業(矢崎グループ)株式会社 公式サイト
https://www.yazaki-group.com/
・同サイト内:「東京モーターショー2015」に出展いたします
https://www.yazaki-group.com/news/101.html
≪矢崎総業ブースで展示されている四輪車のモック。ワイヤーハーネスや計器類など矢崎製品の設置場所が明らかに≫
画像のせいもあるのですが、ちょっと重くなってしまったので、「その2」へ続きます。
≪東ホールの階段を振り返ると、こんな仕掛けが!≫
その2「サッカー視点の東京モーターショー(2)-企業はこれを見て欲しい!」
【厳選Qoly】日本代表の2024年が終了…複数回招集されながら「出場ゼロ」だった5名