チームはその後PKで1点を返され、後半始めには韓国代表ク・ジャチョルに決められ同点に。さらに終盤、パラグアイ代表のボバディージャに逆転のゴールを許してしまう。
そのままアディショナルタイムに突入し、3連敗は確実かと思われたマインツ。そんなチームを救ったのがこの男だった!
右サイドからのロングボールを中央で味方が競り合い、そのボールが後方へ流れ武藤へ渡る。
武藤は軽く足元でコントロールすると内へボールを運び、迷わず右足でシュート!すると地を這うような豪快なシュートがゴールネットに突き刺さり、起死回生の同点弾になるとともにハットトリックの達成となったのである。
ブンデスリーガで日本人選手がハットトリックを達成するのはアイントラハト・フランクフルトでプレーしていた高原直泰が、2006年12月3日に行われたアレマニア・アーヘン戦で達成して以来、約9年ぶり2度目の快挙。
欧州主要リーグでは香川真司(ドルトムント)がマンチェスター・ユナイテッドに在籍していた2012-13シーズンにノリッジ戦で達成して以来のことだ(スコットランドでは中村俊輔も達成している)。
ミッドウィークのDFBポカールを負傷により休養し、この試合も万全の体調ではなかったという武藤だが、
「痛みはありましたけど、(試合に)出るからにはその痛みのせいにしたくなかったので、それが良い結果になって良かったなと思います。
(中略)負けている状況で、最後にチームを救うゴールができたことを非常に嬉しく思いますし、やっぱりチームとして最後まで点を取りに行こうとした結果が、きょうのこういう結果につながったと思うので。チームとしてのスピリットは非常に素晴らしいものだったと思います」
と、ブンデスリーガの公式サイトで語っている。
チームはなかなか結果の出ない状況が続いているが、武藤は11節を終えて早くも6ゴール目。この試合のマン・オブ・ザ・マッチにも輝いている。ここからどこまでその数字を伸ばしてくれるだろうか。