3トップがよりやばい

2011-12シーズン、メッシはリーガ50得点を決めた。この時のバルセロナはメッシがセンターフォワードとして起用されていたが、試合によっては“0トップ”のような形をとっていた。つまり、中央のメッシが低い位置に構え、左右のペドロ、アレクシス・サンチェスらがより高い位置を取るシステムだ。

現在は、「MSN」と形容される3トップが基本となっている。メッシ、スアレス、ネイマールの南米3トップは爆発的な破壊力を持つ。この3人は1人がセンターフォワード、2人がウイングというよりは3人それぞれがストライカーもでき、アシスト役にも回ることができる。非常に良い関係が保たれている。私生活でも仲が良いらしく、そうした人間関係がプレー面でもなじみの良さを見せている。

選手補強が禁止されている

バルセロナは来年1月4日まで選手獲得が禁止されている。未成年選手獲得の規定に違反したためである。リーガ・エスパニョーラでは移籍期間外でも怪我による長期離脱が発覚した場合などは特例での選手獲得が認められる。バルセロナも今季MFラフィーニャが離脱しているが、緊急補強も認められなかった。現在は、アルダ・トゥラン、アレイクス・ビダルの2選手が来年1月からの選手登録を待っている状況だ。

そのような厳しい状況を支えているのがバルセロナの下部組織(カンテラ)からあがってきた選手達である。今季はメッシも怪我によりチームから離れていたが、ムニール・アル・ハッダーディ、サンドロ・ラミレスといった選手達が穴を埋めた。

その中でも特筆すべきがセルジ・ロベルトだ。ダニ・アウヴェスを欠けばサイドバックに、メッシを欠けばウイングに、ラキティッチらを休ませるならばセンターハーフにとDFからFWまでこなす起用さを見せている。広州戦ではウイングでプレーしたが、決勝ではどこのポジションで出場するだろうか?ポリバレントな男に是非注目していただきたい。

総合するとバルセロナはよりシンプルに、より基本に忠実なスタイルへと変化している。ビッグクラブはタレント力だけで勝負しているわけではない。戦術面でも一歩リードし非常に高度なタスクを遂行する集団なのだ。一見シンプルに、かんたんに、プレーをこなしているように見えるが、その1つ1つに込められた意図を感じ取ってほしい。

【Qolyインタビュー】FC琉球の元日本代表DF藤春廣輝が明かす…「伝説のCS浦和戦、あわやOG→劇的決勝弾」「オーバーエイジで出場したリオ五輪」の裏側