イケテル本屋のやり方を応用

話の本題に入る前にツタヤ図書館とは何なのかを紹介しよう。第一の特徴として、従来の図書館の分類である図書目録に沿った分類でないことがあげられる。これは、ツタヤが代官山や二子玉川などの高級住宅街で開拓した手法に沿っている。本をそのジャンル通りに並べず「食べる」などのキーワードに沿って本を展開する、というやり方である。

実際に、私はこれらの店舗に足しげく通っているが、この分類方法は意図しない良書に巡り合うという意味で「本との出会いがある」ように感じる。一方で、自分が読みたいものを迷わず探せるか?と言えば慣れが必要だろう。漫画の『ドラえもん』が一般書の横にあったりするからだ。

この方法は都心の一等地では成功を収めた。実際に、CCC曰く代官山店は「坪当たりの売り上げが日本で一番高い店舗」だという。実際に行ってみると大変素晴らしく1日過ごしたくなる“イケテル”本屋だ。

だが、地方の図書館にそぐうやり方なのかと言えば、疑問符も浮かぶ。それが21世紀的だと言えばそれまでなのだが、テレビゲームがコンシューマーからスマートフォンへとシフトしていくのに納得できない気持ちと似ているかも知れない。

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