土居に抜かれてしまった二人だが、この後、不思議なことが起こる。
エリア内へ侵入した土居を前に、なんと二人そろって明後日の方向へ行ってしまったのだ。Why!?
おそらくゴール前でフリーになった鹿島の選手が目に入ったのだと思われるが、ここからカバーに行っても間に合うわけがない。
結果、土居はこんな位置でドフリーに。
クロスを塩谷司が防いだものの、ボールは再びフリーの土居へ。
十分なスペースがあったため改めてフィニッシュまで持ち込まれてしまった。このときの水本と柏は名前の位置である。結果的に、最初の段階でしつこく追っていればセカンドチャンスでもっとプレッシャーをかけられた場面だった。
動画はこちら。
端的に言って、柏の対応が悪かった。それは間違いない。広島はこの5日前に行われたACL、アウェイでブリーラム・ユナイテッドと対戦しており(2-0で勝利)、そこでフル出場していた彼には疲れもあったことだろう。
ただ、単純な判断ミスかといえば、どうだろうか。土居がドリブルしていたのは中盤などではなく、エリア内なのである。それを前にして、二人の守備者がボールから離れていってしまうというのは・・・。
日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、繰り返し「デュエル」という言葉を口にする。日本人選手は球際の競り合いや寄せの激しさが足りないといった意味でとらえられているが、それもまずはボールや人へのアタックがあっての話。今回はそれ以前、サッカーという競技に必要な何かが根本的に足りないのではないかとすら感じさせるゴールシーン、いや失点シーンであった。
世界と“闘う”のであれば、こういったゴールは広島に限らずリーグとして繰り返してはならない。