「楽しい」と思えることの動機は、人の行動を想像以上に掻き立てる。また、人は没頭することで驚異的なパフォーマンスを発揮する。誰かに言われたり強制されたりするとやらないことでも、それが楽しかったり自分のためになったりすると人はやるのだ。

そうしたことを念頭に置き、応援のあり方を考えるのはきわめて重要なのではないだろうか。

応援となると人はまずそのメッセージやリズムを考えがちだ。結果的には選手に届けるものなので、そこに情熱を込めるのは分かる。

しかし、応援を作り出すのはあくまでスタジアムにいる観客である。

であるならば、それはそうした人たちが歌ってみたくなる、あるいはつい口ずさんでみたくなるようなものでなくてはならない。

「楽しい」と感じるものだけが正解ではない。「簡単で歌いやすい」というのも非常に重要な要素だろう。実際に、それを狙って作られたと思うチャントもJクラブの中には存在している。

スタジアムの雰囲気作りを考える上で、その応援が「構造的に動員を呼びやすいものになっているか」というアーキテクチャ的な視点に立つことは非常に重要であるはずだ。

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