サッカーを始めて22年、欧州サッカーにどっぷり浸って14年になるが、今回が私にとって初めての渡欧だった。
すでに記した通り、欧州のファンがつくり上げるムードやその声量はこれまで感じたことのない類のものだった。
もちろんEUROということもあり、ヨーロッパだけでなく世界各国から様々なファンが集まっている。訪れた街にはそれぞれのサポーターが集結しており、一括りにして話すのは危険だ。
しかしそれでも、彼らの歌声は思わず身震いしてしまうほどのものだった。こうした際によく「地鳴りのような」という表現が使われるが、まさに言い得て妙であると感じた。
こちらはトゥールズの街中で遭遇したスウェーデンサポーターの集団。
彼らは試合前日にもかかわらず、パブリックビューイング会場に集い自分たちの歌を大声で口ずさんでいた。それも、見知らぬ同胞たちとである。
誰かがラッパを吹けばそれに呼応し"Sverige!"のチャントが始まり、その輪はどんどん広がり歌声は大きくなっていく。
特別な盛り上げ役がいるわけではないのだが、サポーター同士が“共鳴”し合い、試合前日でありながら迫力あるムードを作り出していた。