『SBS』は「オーストラリア・Aリーグのブリスベン・ロアは、大規模な資金不足に直面している」と報じた。

数年まではオーストラリアで貴重なパスサッカーを繰り広げ、AFCチャンピオンズリーグにも出場していたブリスベン・ロア。

しかし昨年からチームは深刻な経営難に陥っている。オーナーであるインドネシアのバクリー・グループの経営状態が悪化し、クラブへの投資が滞っているためだ。

昨季は選手、スタッフを含めた労働者に対しての給与が遅れていることが確認されており、最終的には資金が届いたため危機を逃れたものの、苦しい状況が続いていた。

だが、結局今年になっても大きく状況は改善されていない。16日にブリスベンは「選手やコーチ、フタッフに対する給与は支払われている」と公式発表したが、むしろこれがファンに向けてアナウンスされること自体が異常である。

バクリー・グループは昨季約束していた110万ドル(およそ0.8億円)の投資を行わず、確認されているのは40万5000ドル(およそ3080万円)のみであるという。

そして、マネージングディレクターのダニエル・コッブ氏は、その状況を公に暴露した1日後にクラブから解雇されている。

ちなみに、彼にもスポンサーとの連絡を滞らせたなどの批判が多く寄せられており、投資家が見つからなければクラブはコッブ氏に売却されるという約束を結ぶなど、奇妙な人物だった。

記事によれば、ブリスベン・ロアは新しいAリーグのシーズンをスタートさせるためには、今後6週間で60万ドル(およそ4560万円)の調達が必要になっているという。

まだ来期のシーズンチケットは693枚しか売れておらず、練習場を借りているクイーンズランドラグビーユニオン(QRU)には木曜までに30万ドル(およそ2280万円)の支払いを行わなければならない。

この賃貸料については解決のためにディレクターのマーク・キングマンが会談に赴く見込みであるとのこと。

現在ブリスベン・ロア、およびバクリー・グループは地元コンソーシアムとの間でクラブ売却に向けた話し合いを行っていると言われている。

Aリーグの開幕に向けてゴールドコーストでのキャンプを行っているブリスベン・ロア。

法的に現段階でライセンスを剥奪されることはないものの、このままでは昨年夏のニューカッスル・ジェッツのように、オーストラリアサッカー連盟が介入しなければならない状況に陥る可能性が示唆されている。

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