予選グループ首位争いなのに…
UAEはこの最終予選においてここまで3勝2敗。日本にアウェイで驚きの勝利を上げる好スタートを切り、タイ、イラクは順当に撃破した。
しかしその一方で、9月にはホームでオーストラリアに0-1と敗北。また、10月にはサウジアラビアに3-0で大敗するなど、勝点を落とした。
これまでの成績を考えれば、全体的に悪いものとは言えない。しかし、この「黄金世代」と言われるチームへの期待は非常に高いものがある。
2012年のロンドン五輪出場に導いたマフディ・アリ監督は、このチームの中心的なメンバーと共に戦い始めて8年になる。
ユース時代から重用してきた彼らへの信頼は非常に強く、ほとんどメンバーの入れ替わりはない。
そこに、ついに大きな批判が飛び交うようになったのだ。11月にはマフディ・アリ更迭という噂が流れ、その後任としてイヴァン・ヨヴァノヴィッチ、コスミン・オラロイウ、マルク・ウィルモッツなどを招聘するというニュースだった。
それは実行されることはなかった。だが、マフディ・アリ監督がこの数年間で最も厳しい立場に立たされていることは間違いない。
国はこのチームに「次のステップ」を求めている。そして、そこに向かうためには外国人監督が必要ではないかと。
しかし、マフディ・アリの考え方は違う。同じようなメンバーとシステムを使いながら、徐々に基盤を強化しようとしている。
その齟齬が今、UAEで大きなギャップとして現れているのだ。