ビッグクラブ重視の戦略が裏目?
ベルギーでこのようなシステムが出来上がったのはつい最近のことだ。
それまで欧州のリーグは終盤戦になると優勝やチャンピオンズリーグ争い、降格争いから外れたチームが中だるみしてしまう傾向にあった。そのためになるべく最終局面まで競争力のある戦いを持続させようというものだ。
ベルギー、オランダ、ギリシャ、イスラエルなどが次々にこのような(あるいは類似した)システムを導入し代わりに1部リーグのチーム数を減らすなど変更を行った。これはヨーロッパの中堅リーグのトレンドになり、今もその流れは継続している。
こうした変更の背景の一つには、ビッグクラブ側からの強い要請もある。
ビッグクラブは弱いチームと戦って得られるメリットが少ないという意見が上がっていた。自分たちだけで戦う機会が増えればレベルアップにつながりヨーロッパでも良い成績が残せるという目論見があったのだ。
当然、「複雑でわかりにくい」、「プレーオフでの勢い重視となり、本当の実力が順位表に反映されない」といった意見もあった。ベルギーリーグでのプレーオフ発足当時80%のサポーターは制度に反対をし、ビッグクラブ以外のすべてが18チームのリーグ戦総当たりのほうが望ましいという投票結果が存在する。しかし、最終的にそれらの結果は無視されこのようなシステムが誕生している。
プレーオフの意味
発足当時に比べると現在はプレーオフの制度は(降格プレーオフがなくなったり)多少簡素化している。しかし、それでもビッグクラブが言うような競争力が得られたかという点については(ベルギーのチームのヨーロッパでの成績を見るに)疑問が残る。
実際、サポーターからの評判は今も良くない。プレーオフは観客10000人前後が“基本”で決して大きな数とは言えず、スタジアムが満員御礼で優勝の行方を固唾をのんで見守るというようなことにはなっていない。
ベルギーでは2部リーグ(ベルジャン・ファースト・ディビジョンB)が複雑なことになっており、しわ寄せだとしてサポーターから批判を浴びている。8チームしかない上にオープニングトーナメント(前期)、クロージングトーナメント(後期)とわかれ下位4チームは3部への降格プレーオフに回るなど極端なことになっているためだ。