コンセプトを体現するキーマンたち

3バックであろうと、4バックであろうと風間監督のコンセプトは不変である。「ボールを握ることで試合を支配する」という明確なコンセプトで、ペップ・グアルディオラと同じ哲学だ。

そして自身の哲学を体現するには、当然ながらビジョンを同じくするプレーヤーの存在が不可欠だ。

攻撃の絶対軸となっている玉田は、プレーメーカーとして巧みなパスセンスでリズムをもたらす。かつては名ドリブラーとして鳴らし、晩年にポジションを下げたライアン・ギグスを彷彿とさせる活躍ぶりだ。

また、指揮官の大胆なコンバートによって新境地を開拓した選手たちは多い。

トップ下を本職とする和泉は、ボランチに加えてウイングバックやサイドバックとしても起用された。豊富な運動量とサッカーIQの高さで“風間スタイルの申し子”となっている。

また、宮原と内田も“風間スタイルの申し子”だ。

両者ともに3バックのストッパー、サイドバック、ウイングバック、ボランチと複数のポジションで起用されている。2人ともキック精度と戦術理解度の高さが売りで、風間監督が重宝するのは当然だ。前者はヨシュア・キミッヒ、後者はアレクサンダル・コラロフを彷彿とさせるが、ペップと同じ哲学を持つ指揮官だけに、このコンバートも納得である。

そして、筑波大学時代に指揮官の薫陶を受けた八反田康平もキーマンのひとりだ。

中盤ならどこでもこなす背番号21は、ボールを受けてさばくのが持ち味。潤滑油的にプレーできるコケ的タイプである。風間監督は川崎フロンターレ時代に同タイプの森谷賢太郎を重用していたが、八反田も同様に寵愛を受けそうだ。

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