ロビン・ファン・ペルシー

移籍:アーセナル→マンチェスター・ユナイテッド

移籍金:2400万ポンド(現在のレートでおよそ36.93億円)

アーセナル独特のビジネスモデルは、あまり知られていない選手を獲得して、価値を上げて売るというものに見えることもある。

2012年、ロビン・ファン・ペルシーと代理人はアーセナルとの会談に臨み、移籍の政策や運営に関する要求を行ったという。

その哲学は変えられない。アーセナルがそう答えた時、ファン・ペルシーは退団を決めた。怪我の問題を持つ29歳が2400万ポンドで売れた。それは良いビジネスにも思えた。ヴェンゲル監督はオリヴィエ・ジルーとルーカス・ポドルスキでその穴は完全に埋まると信じたはずだ。

しかし、ファン・ペルシーはマンチェスター・ユナイテッドで26ゴールを決める活躍を見せ、リーグタイトルに導く。アレックス・ファーガソンが最後に決めた『会心の獲得』だった。

ただアーセナルもトップ4だった。ヴェンゲル監督は、満足しただろう。

カルロス・テベス

移籍:マンチェスター・ユナイテッド→マンチェスター・シティ

移籍金:なし

2006年、キア・ジューラブシャン率いるメディア・スポーツ・インヴェストメンツが、テベスとマスケラーノをウェストハム・ユナイテッドに移籍させた。

残留に貢献したテベスは、2007年にマンチェスター・ユナイテッドへと2年間の期限付き移籍をする。ウェイン・ルーニーとのコンビで大活躍を見せ、多くの賞賛を集めた。

しかし、後にアレックス・ファーガソン監督との関係は崩壊。2009年にローンが終わると、テベスはマンチェスター・シティと契約する。

UAEの資本が入り始めていたシティに初のタイトル、そして初のプレミアリーグ優勝をもたらすことになった。

エンゴロ・カンテ

移籍:レスター・シティ→チェルシー

移籍金:3200万ポンド(現在のレートでおよそ49.24億円)

レスターとチェルシーは相互に嫌悪感を持っているライバルではないが、この取引にはいろいろな文脈があり、それが重要になる。

2015-16シーズンにレスター・シティで驚きのプレミアリーグ優勝をもたらしたのは彼である。このボール奪取マスターは、中盤に前例のないほどのコントロールを追加した。

一方でチェルシーはタイトルを手放してしまった後、アントニオ・コンテの下でチームを再建したかった。そこでカンテは重要なターゲットになった。

レスターはチャンピオンズリーグ出場、タイトル保持を考えるのであれば、最高の選手を維持する必要があった。

しかし、カンテがチャンピオンズリーグに出ないチェルシーへ移籍したいという願望を見せた時、打つ手はなくなっていた。そして、彼の重要性は成績によって示された。

ウィルフリード・エンディディの獲得でなんとか穴の底は塞げたが、クラウディオ・ラニエリにとってそれは遅すぎた。