勝ちにいく姿勢

日本はポーランドとのグループステージ最終戦で1点のビハインドにもかかかわらず、パスを前に送ることを拒絶して大きな批判にさらされた。

だが、ラウンド16でのベルギー戦での彼らは全く違った。守備は損なわれておらず、決定機で冷静であることを見せつけたのだ。

日本は原口元気が先制ゴールを決めた後も止まらなかった。その後もチャンスを狙い続け、すぐに決めてみせた。先制点からわずか4分後、乾貴士の格別の一撃によってリードを2点に広げたのだ。

日本は本気でアップセットをやるように見えた、しかも非常に説得力のあるやり方で。

だが、ベルギーはタイムリーな2枚替えと1点差に迫るゴールによって試合を引き戻した。その後、彼らが同点に追いつくのにかかったのは、5分。

日本にとっては懸命に守って90分間をもちこたえる(延長戦に持ち込む)のがいいはずに思えた。だが、驚くことに彼らはそうしなかった。

終了間際にコーナーキックを得た際、ボールをキープしてホイッスルを待つのではなく、ボックス内へクロスを入れようとしたことで、本田圭佑と香川真司は多くの批判を浴びた。

だが、あのコーナーは本田の素晴らしいフリーキックをクルトワがソリッドなセーブをした結果、得られたものだ。

多くの人間が得点を狙うよりもボールをキープするほうが賢い選択だったはずと考えており、(コーナーでの)日本代表選手の判断は批判を受けた。

だが、本田の姿勢は非難されるよりもむしろ讃えられるべきだ。

観客たちが望んでいたのは、時間をやり過ごしてPK戦に持ち込むことだった。とはいえ、あの瞬間に選手たちがしたことは、ビッグチームならばどのチームもやったはずのことだ。

彼らは得点できると信じていた。彼らは世界最高のチームのひとつを打ち破れると信じていたのだ。それはアジアを誇り高くさせたはずだ。