スタジアム関連でいえば、鹿島は今シーズンから芝生の新品種を採用。ピッチの通年常緑化が可能となったことで、サッカーだけでなく自主事業や各種イベントなど、スタジアムのさらなる利活用を進めている。

また、独自のメンテナンス手法などを新たに開発し、新品種採用とともに「ターフプロジェクト」として、他スタジアムや施設での事業展開を目指すという。

まるで造園業者のようなPVだが、れっきとしたクラブ公式。数日で芝を張り替え、2週間後のホームゲームには新しい芝で試合ができるということになれば、他のスタジアム事業者からも大きな注目を集めるに違いない。

鹿島自身、「ダメになったら芝をすぐに張り替える。それくらいの気持ちでピッチの稼働率を上げる」としており、今年8月にはなんとピッチの上にテントを張って泊まるスタジアムキャンプを開催。今後は今年できなかった盆踊り、さらには運動会もやりたいとのことである。

さらに鈴木氏は、将来的にカシマサッカースタジアムの観客席数を適正なキャパシティすることを考えていると明かした。

“満員感”の創出は試合の盛り上がりやサポーターの満足度に直結する。そこで、席の配置などを見直しながら現在の約4万人から2万人台にまで収容人数を減らし、その分付加価値のあるシートを増やして顧客単価を上げたいという。

やや脱線してしまったが、総じていえることは、鹿島アントラーズはJクラブの中でも将来を真剣に考え、どんどん先へ進んでいるということだ。デジタルは今や彼らにとって欠かせないものであり、ものすごいスピードで進化するアメリカスポーツの“いま”を知るためニューヨークに事務所も設置している(所長の中村氏からは毎月レポートが上がってくるという)。

間に短いプレゼンを行ったJリーグデジタル代表取締役社長の出井宏明氏によると、リーグ全体では特に中小のクラブにおいて、デジタルの担当者が孤軍奮闘しているケースが目立つという。その状況がすぐに変わることはないが、こうしたフォーラムは国内外の最新事情や具体的な事例を知ることができるだけでなく、同じ立場の「仲間」と知り合うことができる貴重な場でもある。

今回、内容の一部を紹介したスポーツデジタルフォーラム。次回の開催はまだ決まっていないが、ぜひ今後とも続けてほしい取り組みだ。

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