――Tシャツにはあえてエンブレムじゃなくて「ノーザン・ソウル」と記載したといいます。そこに込めた思いとは?
映画『ノーザン・ソウル』でも描かれたイギリスの音楽ムーヴメントが元ネタです。私はイングランドでもニューカッスル、つまりノースイングランドの方に興味があった。
コンサドーレも日本では北海道で唯一のJリーグクラブです。「北」の誇りであったり北海道の人間にしか伝えられない言葉ってあると思うんですよ。
――コンサドーレの文字やエムブレムを入れなかったのは?
仕事でも着られるとかブランドを意識した結果です。
例えばポロシャツだけどエンブレムがないならば仕事をしながらこっそり自分だけわかるものを着ることができる。仕事の後はコンサドーレの試合が見られるバーとかで飲むみたいなことができるんじゃないかなぁと思います。
実際、没のデザインのポロシャツをこっそり野々村さんが着ていたりします。「もらっちゃった」と。アウェイの試合だからちょっとはちゃんとした格好しないといけないからTシャツは無理、というときに良いそうです。
――サッカーというとスポーツの枠組みでみんな考えてしまうと思うんです。
体育会の流れがあると思うんです。自分たちのわからないことにはシャッターを下ろしてしまうというか。
コンサドーレには、野々村さんのような柔軟な考えがあるから、自分のような人間もクラブに受け入れてもらえていると思います。
サッカーといっても株式会社コンサドーレなわけです。まだまだ売り上げを伸ばさなければいけないし、チームの強化費も増やさなければいけません。そんな中、客単価をあげる工夫の1つがグッズだと思います。
――相澤さんが見てきたヨーロッパサッカーにはその参考例はあるのでしょうか?
ビッグクラブはそれぞれのブランドと組んでやっていると思うんですが、例えばフルアムなんかは2部に落ちたりしたこともあってサポーターが組織化してオフィシャルショップで(きっとサプライヤーとは別に)グッズを作って売っています。
だから、オリジナリティあふれるグッズがたくさんあるんですね。自分はそれを意識しているところがありますね。
――例えば、ナポリなんかは独自にアパレルをやってファッションショーを開いています。
ナポリはかっこいいですね。ナポリってイタリア南部のナポリ人だというプライドがありますよね。
また、イタリアファッションの一つの拠点でもあり、自分たちのサッカーを作っていこうという気質を感じます。
――札幌も200万人都市です。人口は多いと思うのですが。
可能性はあると思います。
コンサドーレのアイテムがNYヤンキースの帽子のように自分たちのファッションアイテムとして取り入れられるのが目標です。そのためにはセレクトショップで流通させるなども考えています。