ーークラウドファンディング中には愛用者の声がたくさんあったと聞いています。ヴェルスパ大分の阪本遼太主務・エキップメントとの出会いが大きかったと聞いています。

クラウドファンディングをしていて初めて声をかけてきたのが阪本さんでした。彼はまだ20代と若いのですがスパイクが大好きで「もしYASUDAが復刻することがあれば一緒にやりたいです」、と。

反応が圧倒的に多いのは35歳より上の層です。昔を知っている親父世代ですね。今はサッカーをやっていないけれどフットサルをやっているからフットサルシューズを出してほしい、YASUDAで上下揃えたいからウェアやスニーカーを出してくれといった要望がありました。現役のJリーガーからもメッセージをいただきましたし、海外からもレスポンスがありました。サウジアラビアの方なんかはメッセージだけでなく会社に来てくれました。

最初はクラウドファンディングでスパイクを復刻したら、次のクラウドファンディング事業に移る予定だったんです。

ーースパイクを作って終わり、と。

はい。ところがクラウドファンディング中にサッカー関係者から「YASUDAは日本唯一のサッカーブランドだからキャンペーンみたいに終わっちゃだめだ。このまま続けるんだよね?」と言われました。自分もサッカー好きだったので、それなら会社を作ろうとクラウドファンディングに合わせて起業を進めました。

ーー新商品のスパイクを見るとシャープな印象があります。

(イノベーター Pro)

クラウドファンディングではゴールドと黒白のスパイクを作りました。そこから新商品の開発を行い、2018年12月に予約受付を開始しました。

今年までに木型・金型がモデルチェンジしています。とはいっても、13本のスタッドと丸い形は変えないようにしています。スタッドの高さ、位置は日本の昔の足場の悪いグラウンドに合わせたものだったので前の位置だけ少し高さを変えています。それ以外は金型は変えていません。

木型はクラウドファンディング時に見つけた木型は「ザ・日本人」的な幅広甲高のものでした。しかし、何十年かの間に日本人の足も変わってきています。幅広甲高と言うところは維持しながら、全体的に細くなってきている今の日本人に合わせたものにしています。

現在作っている製造のトップの方が某メーカーの誰でも知っているスパイクの開発者なんです。その方が抱いていた「スパイクはこうした方が良いんじゃないか」という思いをYASUDAスパイクにぶつけて一緒に作りあげました。