「新生FC町田ゼルビア」の未来

――今年、9年ぶりにランコ・ポポヴィッチ氏を監督として迎えました。再び招聘した理由を教えてください。

チームを6シーズン率いた相馬直樹監督が退任した段階で、自分たちのクラブを客観的に見て、まだまだ環境的にも弱いクラブだと感じました。ただ、その中でも勝っていかなければなりませんし、今後クラブとしては育成にさらに力を入れていく必要があります。

若手を育て、町田から世界へ送り出していく。厳しい環境の中でもそれができる監督として、強化部にリストアップしてもらった候補から最終的にポポヴィッチ監督に決めました。町田のファン・サポーターにも愛されている監督ですし、もう一度指揮を執ることを歓迎してもらえるだろうと。

――前回指揮をしたのは2011シーズンの1年間だけでしたが、インパクトはかなり強かったです(※JFLで3位に入りJ2昇格を達成。しかしポポヴィッチ氏はシーズン終了後、FC東京の監督に就任し、町田は1年で降格)。

J2で群を抜いて強化資金がないチームでしたが、ポポヴィッチ監督がJFLで素晴らしいチーム作りをしていましたので、あのまま続けてくれていたら翌年の降格はギリギリ免れたんじゃないか、くらいの思いは少しあります(笑)。

町田で結果を出し、J1クラブやスペインなどでキャリアも積んだポポヴィッチ監督をまた見たいという思いも今回ありました。

――ポポヴィッチ監督が戻ってきて、今シーズンの町田はどんなチームになっていますか?

現時点でのことなので難しいですけれど、ヴァンフォーレ甲府との開幕戦から20代前半の選手たちが多く出場し、しかも堂々とプレーしていました。そういった選手起用をやり切れるポポヴィッチ監督は楽しみだなという思いが強いです。

当然結果が付いてこない可能性もありますのでその辺りを見ながらではありますが、現状では結果はもちろん選手の育成の面でもすごく楽しみです。

※スコアレスドローだったヴァンフォーレ甲府との開幕戦。中盤から前は、髙江麗央(21歳)、佐野海舟(19歳)、吉尾海夏(21歳)、平戸太貴(23歳)の若手4名に外国人選手2名(マソビッチ、ステファン)という先発メンバーだった。