――選手を育てるといえば、再開初戦は育成に定評のある東京ヴェルディと対戦します。FC町田ゼルビアにとってヴェルディはどんな存在ですか?

僕らの子供時代からヴェルディさんとは、しのぎを削ってやってきた相手です。当時数少ないクラブチーム同士でしたので、リスペクトしながら戦ってきた歴史があります。

歴史から言えば東京ヴェルディさんは本当に華やかで、僕らが到底追いつけないであろうクラブとしてずっと見てきましたが、今こうやって同じ舞台で戦える状況になってきた。そこに至る様々な方々の支えに感謝していますし、自分たちのクラブの成長も感じています。

もちろん彼らを超えていきたい思いはありますが、全てにおいてまだまだヴェルディさんが上だと思っています。だからこそ再開初戦で選手たちが勝点をあげてくれればクラブとしてもすごく勇気が出ます。

――大友社長にとって“ミドリ”はどういう対象でしたか?ライバルだったり、憧れだったり。

プレーヤーだった頃はやっぱり負けたくない相手でしたね。彼らは上手かったですし、都会的なイメージである彼らに比べると町田はやはり田舎ですから(笑)。ジュニアやジュニアユースからオシャレでかっこいい雰囲気がある彼らを倒したい思いはありました。

ただJリーグ発足当時、初めて買ったTシャツはラモス瑠偉選手のデザインでした(笑)。

――町田は周辺にJリーグだけでもたくさんのクラブがあります。育成面でも大変ですよね。

そうですね…。優秀な子供たちが外に行ってしまうケースも多くて、その流れを止めなくてはいけないという課題があります。

実はヴェルディさんで今年トップチームへ昇格した選手の中にも町田出身の選手がいました(※U-18日本代表の藤田譲瑠チマと石浦大雅は小学生時代、FC町田ゼルビアのスクールに通っていた)。

因縁なんて言ったら失礼ですけど、負けたくない気持ちはあります。

――引き留めるために工夫していることはありますか?

これからだと思います。やはり環境面がまず整わないことには留めることはできないと思っていますので、J1ライセンス認定基準を満たすトップチームの環境整備が終わったら、次はアカデミーのほうを進めていきます。

本当にJ1クラブだけでも周りにいくつもあるので、「町田を世界に示そう!」と子供たちに伝えられるくらいの環境を整えていくつもりです。