このチームが独特な部分はオーナーだけではない。なんとディレクターが二人おり、共同で経営を行っているのだ。
一人はフィル・ジャイルズ。ニューカッスル大学で感染症の研究を行ったあと、その際に学んだ統計とスポーツを結びつけ、Smartoddsに入社。そこでベンハムと知り合った。
そしてもうひとりはラスムス・アンケルセン。彼はミッテュランの選手だったが怪我のために若くして引退し、その後起業家や作家、講演者として働いた。彼のいとこがベンハムの部下だったことによりLinkedInで繋がり、ブレントフォードにやってきた。
彼らはデータを使った分析などを得意としており、安い選手の発掘に成功してきたほか、パンデミックが起こった際にもいち早く経費削減に動いたことでダメージを最小限に抑えられたという。
また、ブレントフォードは「アカデミーを持っていないクラブ」でもある。その代わりにBチームを充実させており、若い選手をトップチームと近い場所で生活させることで成長を促している。
さらにクラブには睡眠の専門家、スローイン専門コーチ、キック専門コーチも導入しており、指導の点でもユニークであるという。
【動画】2018年までブレントフォードでキック専門コーチを務めたバルテク・シウヴェストルチャク(現ミッテュラン)が指導すると、キックがこう変わる
70万ドルで買われたクラブの価値は、現在3億ドルを超えている。僅かな期間でとてつもない上昇を遂げた。
ブレントフォードは13日、プレミアリーグの開幕戦でいきなりアーセナルと対戦する予定となっている。
ただ練習試合ではワトフォードとバレンシアに勝利、マンチェスターユナイテッドに引き分けという結果を残しており、今季のダークホースになることも予測されているチームだ。