――ここまではプラットフォームサイドであるFiNANCiEとのコミュニケーションでしたが、トークンホルダーとのコミュニケーションという点では小泉さん、課題などいかがでしょうか?
小泉:一つは内部的な話になるのですが、工数がかかることは感じています。エンゲージメントの高いファンコミュニティであるがゆえに、僕らのような小さなクラブはそこに向き合うための時間を捻出する必要があります。
また、トークンを保有する目的がやはりそれぞれ違うので、コミュニティ全体とどういう形で向き合うのかという難しさもあります。SHIBUYA CITYのトークンは価格の大きな波を経験していることもあり、中長期の目的で保有している方や、短期で投機的な目的の方もいらっしゃいます。
様々な“期待”があるなかでのファンコミュニティの運営は悩むところも多いですね。
――FiNANCiEにおいて、盛り上がっているコミュニティとそうではないコミュニティの違いはどの辺りにありますか?
田中:TwitterなどのSNSもそうだと思いますが、やはり運営している人の顔が見えるかどうかは大きいです。
規模の大きなクラブほど企画だけさらっと流すなどになりがちで、逆にSHIBUYA CITYさんや鎌倉インテルさんは誰がどのように運営しているのかが分かりやすい。トークンに関する配信もかなりやっていただいて、人の肌感覚が感じられるので「コミュニティとして応援しよう」という雰囲気になっているように思います。
顔が見えるコミュニティだと「試合の勝ち負け以外でも楽しもう」という空気を我々も見ていて感じますね。
――FiNANCiEには現在どのくらいのユーザーがいるのでしょうか?
田中:今はだいたい3万人のトークンホルダーがいます。スポーツチーム1チームのファンクラブ会員くらいの規模なので、サッカーファンやスポーツファンの総数を考えればまだまだ伸びしろがあると思っています。そういった方々への認知を広げていくことで、初期の段階からトークンを保有している方にとってもメリットが広がっていきます。
FiNANCiEを始められた方は1チームだけでなく、複数チームのトークンを購入することが多いです。もともと鎌倉インテルのサポーターだった、あるいは四方さんの知り合いだった方が、SHIBUYA CITYのトークンを購入したりといったケースもユーザー分析で見えてきています。
チームが相互にプロモーションをかけていくことや、我々自身が露出を強めていくことで、皆さんに還元していける。まさにwin-win-winな関係性を作っていきたいと考えています。