どんな時も楽しんだもん勝ち!
――それでは最後に現役生活を通して寺田さんを応援してくれた人達へのメッセージをお願いします!
昨年末、横浜FCのホームゲームでも引退セレモニーをさせていただきました。その時にも感じたのですが、こんな自分でもわざわざ横浜まで会いに来てくれる人がたくさんいてメチャクチャ嬉しかったです。
現役時代、特にJリーグでプレーしていた頃はその有難みをまだまだ理解できていなかったかもしれません。
でも、いろんなプレッシャーやストレスがかかる時、応援していただいた皆さんのチカラがあったからこそ、僕は今までプロサッカー選手としてプレーすることができました。当然、途中で『もうアイツの応援するのや~めた』なんて人もいるでしょうけど、1度でも応援してくれた方々にとても感謝しています。ありがとうございます。
今はコロナ禍で行動が不自由なご時世ですが、落ち着いたらスクールなど近い距離でお会いできることもあると思います。実際、地元の茨木市では僕の弟と共にスクールをやっているんですが、スクールでは自分の地元の同級生の子供を指導する機会も結構多いんです。
だから、そんな時は遠慮なく気軽に声をかけていただきたいです。最近でも子供の頃に出演したテレビ番組『探偵ナイトスクープ』に出てましたよね?とか聞かれたりするんです。
まだまだ恩を返せていないですが、今後は指導者として皆さんの目にとまるようガンバっていきます。楽しみにしておいてください。また応援していただければ幸いです。これからもよろしくお願いします!
寺田はいつも「僕みたいな者が」などと謙遜する。
しかし、我々一般人から見れば、現役を引退する選手の平均年齢が26歳と言われるJリーグで311試合に出場し、G大阪時代はタイトルに恵まれ、クラブW杯ではクリスティアーノ・ロナウド擁するマンチェスター・ユナイテッドとも対戦した。横浜FCでは憧れのカズとプレーし、4年間エースナンバー「10」を着た彼は「成功者」だと思う。
そして、引退の理由にもなった「サッカーを楽しむ気持ち」をそのプレーから醸し出して来た彼は、ファンやサポーターに「サッカーの楽しさ」を存分に伝えてくれた。だから、彼個人のファンはサッカーという競技そのものが好きになった人が多いだろう。それが彼の現役生活を通した最も大きな成功だと思う。
寺田紳一の選手としてのキャリアは幕を閉じたが、指導者としてのサッカー人生は始まったばかり。現役時代に悩みや葛藤、苦悩があっても「サッカーを楽しむこと」を忘れなかった彼はどんな選手を育てるのか?本当に楽しみだ。
【写真】「この冬、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2021-22編)」
「どんな時も楽しんだもん勝ち!」は、寺田紳一の座右の銘である。
【プロフィール】寺田 紳一
1985年6月10日生(36歳)171cm70kg 愛称:チン
G大阪の下部組織出身。高度なテクニックを武器にG大阪(2004-2009,2012-2012.8)や横浜FC(2009-2010,2012.8-2017)、栃木SC(2018-2019)の3クラブでJリーグ通算311試合出場18得点(J1:71試合5得点、J2:240試合13得点)を記録した技巧派MF。2020年からは関西1部・おこしやす京都ACでプレーし、昨年8月に現役引退。2022年よりJFL・FCティアモ枚方のコーチを務める。
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