ルート・フリット
オランダ代表:66試合17得点(1981-1994)
オランダの伝説的な選手であるルート・フリット。フランク・ライカールト、マルコ・ファン・バステンとのいわゆる「オランダトリオ」でACミランの黄金期を築き上げた人物として現在でも崇拝されている。
そんな彼もまたスリナム系の象徴的な選手として広く知られているが、スリナム人である父親はインドネシアにもルーツを持っているのだとか。
これはかつて東インド(現在のインドネシア)を支配していたオランダが1890年頃、インドネシア人を労働者としてスリナムに送り込んだことが背景ではないかと考えられる。
ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
オランダ代表:106試合6得点(1996-2010)
ファン・ブロンクホルストは、インドネシア系の選手を象徴する存在だろう。
父親がオランダ人とインドネシア人の混血で、母親は1950年代に祖母とモルッカ諸島からオランダに渡ったインドネシア人。その顔立ちを見ても、他のレジェンドたちに比べてアジアの血が濃いことが分かる。
そんな背景もあり体格的には恵まれなかった。しかしそれを補って余りある確かな技術と知性、戦術眼を有し、特にどんな状況下でも安定したプレーができる選手として重宝された。
スコットランドの名門レンジャーズ時代にはプレイメーカーとして活躍し、アーセナルに移籍。そこではケガもあって成功できなかったが、バルセロナ移籍後に左サイドバックとしての地位を確立する。
そしてオランダ代表として2010年ワールドカップで主将を務め、ウルグアイ戦で大会ベスト級の鮮烈なゴールも記録すると母国はそのまま準優勝を成し遂げている。
その知的なプレーは現役時代から指導者としての成功も予感させていた。
現役を引退してからは自身が育ったフェイエノールトで指揮を執った後、シティグループである中国・広州富力の指揮官に就任しペップ・グアルディオラから薫陶を受けた。
そして2021年からは古巣でもあるレンジャーズで監督を務めている。
なお、昨季ドルトムントでブレイクしたジョヴァンニ・レイナの名前は、彼の父親である元アメリカ代表クラウディオ・レイナとファン・ブロンクホルストがレンジャーズで同僚&友人関係にあったことに由来する。
世界でも有数の歴史を誇るセルティックとレンジャーズの二つのクラブを、アジアとの関係が深い人物が指揮しているのも意義深いことではないだろうか。
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