国際的人権団体のアネムスティ・インターナショナルは、カタールW杯のインフラ建設にかかわる警備員の人権侵害を報告した。

『Daily Mail』によれば、その報告書は8つの民間警備会社の34人の労働者のインタビューをした74ページに及ぶ資料であるとのこと。

この中では国際サッカー連盟(FIFA)の直接的な関与も指摘されており、契約した会社の調査を行っていないことが非難されている。

カタールは今年行われるワールドカップに向けて数多くのインフラ建設を行っており、スタジアムの多くが改築、新築されている。そのために主に東南アジアから移民の労働者を受け入れているが、その労働環境では激しい人権侵害が行われていると指摘されてきた。

今回の報告書によれば、警備員は12時間交代での勤務を余儀なくされており、週84時間の労働が何ヶ月も続いているという。また違法性を雇用主に訴えても改善されず、逆に強制送還される恐れがあることから、この状況を受け入れなければならなくなっているそう。

さらにカタールの夏は気温が50℃を超える日もあるほど過酷であるが、時には休憩所に入ることや水分を補給することも拒否されるという。職場でミスをした場合には罰金を科され、残業代は支払われず、不衛生な10人部屋で生活することを余儀なくされているそうだ。

ある警備員は「バスルームを使用したあとにシャツをしっかり片付けなかったとして、月給の半分に当たる額の罰金を科された」とのことだ。

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2010年12月にワールドカップの開催が決定して以来、その工事にはアジアとアフリカから200万人ほどの移民労働者が関わってきた。その工事の中ではおよそ6500人以上の死亡者が出ていると伝えられており、数万人規模の虐待が行われていると指摘される。

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