スタートダッシュに成功も、懸念点が……
魅惑の2トップがチームを引っ張り、9試合を消化したリーグ戦で2位とスタートダッシュに成功。ルヴァンカップもプレーオフステージ進出を決めており、序盤から勝利を積み重ねている。
新加入の樋口がすぐにフィットし、鋭い縦パスと高精度のプレースキックで決定機を演出するなどポジティブなトピックもあるが、懸念もある。
臨機応変に対応していく現スタイルは個人の調子と出来に左右されやすいのだ。例えば、上田&鈴木が徹底的に封じられるようなことがあれば、失速してしまう可能性がある。
また、絶対的な戦術を持たないがゆえに、試合中に改善できないと最後までリズムを掴めず押し負けてしまうのが、かつての課題だった。この課題を改善できるかが、ヴァイラー監督に課せられた大きなタスクとなる。
そして、好調なチームに影を落としたのが、ダブルボランチの一角としてポジションを掴んでいたディエゴ・ピトゥカの退場事件だ。
第6節・清水エスパルス戦で交代時にテクニカルエリア内のペットボトルをスタンドへ蹴り飛ばした行為により退場を命じられると、第10節・セレッソ大阪戦まで4試合の出場停止処分がJリーグ規律委員会より下された(クラブ独自の処分として、出場停止期間中に実施されるルヴァン杯2試合の出場停止も発表されている)。
また、同清水戦では出場選手の発言(クラブのリリースによれば、清水所属の外国籍選手に対して侮辱的と解釈されかねない発言があった)が問題視される事象も発生している。
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これらの行動および言動は当然ながら許されるものではない。ネガティブなニュースで注目を集めるのではなく、勝利という形でスポットライトを浴びるべきであり、再発防止の徹底と選手の意識向上を切に願いたい。
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