濱名は「相手は大学生だからやり辛さがあったと思いますけど、嬉しかったですね。(内定の)手応えはありました。自分は(プロに)行けるかもしれないと思いました」と笑顔で振り返った。その後、昨年2月にチーム加入内定を受けた。「契約書を見たときに、すごくワクワクした」と白い歯をこぼす。特別指定選手としても登録され、松本大史上初のJリーガーがとなった。

特別指定選手としてデビューした昨季SC相模原戦では、出場わずか6分で1アシストを記録した。「デビューできて良かったというよりは、もっとやらないといけないと思いました。(アシストは)自分のパスより外山選手(現J2徳島ヴォルティス)のシュートが良かったと思います」

その後は特別指定選手として計3試合(出場時間、計18分)出場するも、負傷などの影響で思うような結果を残せなかった。だが自身の課題を見つけられたという。「大学とプロとでは色んなスピードが違いました。切り替えのスピード、ゲームスピード、パススピード、判断のスピード、寄せるスピード。そしてシンプルにやる場面と勝負を仕掛ける場面での判断と、スピードの面を今季改善していきたいです」と兜の緒を締めた。

『クラシコ』の街、松本への恩返し

松本でプロに通用する力を身に着けた濱名は、松本への恩返しを忘れていない。

「松本には(出身)大学もあるので大学の先生や友達に、観に来てもらえるように、目に見える結果で恩返しをしたいです」

松本山雅入団が決まってから同クラブを取り上げた映画『クラシコ』を視聴した。チームの歴史やサポーターの在り方を勉強するために鑑賞したという。「(映画は)だんだん強くなって上に上がっていく山雅を映していて、松本全体で山雅を応援していました。松本といったら山雅だと思ったし、山雅に対して(サポーターが)熱いなと思いました」とサポーターの熱を実感していた。