目指すは「地域と応援しあえるチーム」

試合前にお話を伺うことができたのは、福井丸岡RUCKの創設者であり現在は監督を務めている田中悦博さんだ。

――今日はよろしくお願いします!まずは福井丸岡RUCKの成り立ちから教えてください。

元々私たちがFCラックという男子チームを作っていたんです。そして、丸岡中学校で女子サッカーチームが活動していたんですが、1991年にそのOGを受け入れる形で女子の部門を作ったというのが始まりですね。

北信越地域に女子サッカーがあまり普及していなかったので、福井でチームを立ち上げて、県の代表として北信越の大会に出るというのが最初の目標でした。

そして2002年に日本でワールドカップが開催されたんですが、私はそのころテクノポート福井(現在福井ユナイテッドFCの本拠地)というスタジアムのそばにある学校に勤めていました。

そこで子どもたちを集めてキッズサッカーを始めたんです。そのあと、自分の娘と一緒に親子でサッカーができたらいいなと思って、キッズチームも立ち上げました。そうしたら、そのうちチームがフットサルと出会って…という成り立ちなんです。

――いつも色々な取り組みをされていると耳にしているのですが、運営や広報でどのようなことを大事にされていますか?

自分が教員をしているということもありますが、スポーツチームの役割というのは『みんなをつなげる』ことだと思っているんです。福井丸岡RUCKは、この福井県や日本の女子アスリートのハブになりたい。

女子サッカーというのは、まだまだマイノリティなんです。だから我々がみんなと繋がって、沢山の人とともに大きなものを作り出したいんです。

――女子フットサルで3000人近くを動員したときは驚きました。地元で試合が行われることが少ないシステムのなか、どう地域との関わりを進めてきましたか?

自分たちがその3000人近くの方々に来ていただいたとき、本当に皆さんに応援してもらったんです。おじいちゃんやおばあちゃんなど、様々な方々に。

それを機会に、むしろ自分たちが応援したくなった。我々がみんなを応援して、そして応援しあえる関係を作りたかったんです。

今日もバーモントカップ(U-12の全国フットサル大会)に出場する清水FCさんの壮行会を開催します。

また『さくらいと』さんという福井で頑張っているアイドルの方と一緒に応援歌を作ってCDを発売するんです。他にも今日は一筆啓上のよさこいチームにパフォーマンスをお願いしています。

福井で頑張っている人をみんな応援したいなと思っているんです。興行というよりも、それぞれが応援し合える場所。それがこのフットサルの場だと、そう意識しながらやっていますね。