――実際に冷蔵庫で買ったことを忘れてしまってつい廃棄することってありますよね。ただ、勘違いしてはいけないのは、フードドライブでは賞味期限が1か月以上あるものという決まりがあるそうです。いわゆる廃棄になる賞味期限切れのお弁当とかとは違うという。そうして集められた食料はどう生かされていくのでしょうか?

今回はFC今治さんとつながりのあるNPO団体と一緒に今治市にあるこども食堂とか、福祉団体の施設にご提供していくように準備しています。

――こども食堂とはどんな施設なのでしょうか?

シングルマザーの家庭で親が働きに出ていて食事を1人で食べるとか、もしくは生活自体が厳しくなって食料が十分に与えられないような方々のための施設です。

コロナ以前は(文字通り)食堂としてご飯を食べるものでしたが、今では食べるだけじゃなくて食品を配る形で運営しているんです。

――社会的な意義は理解しますが、「サッカー」クラブというものがフードドライブという社会的意義のある行動をする意味はなんなのでしょうか?

まず、Jリーグのコンセプトとして、「地域」と「各クラブ」が「連携」するというものがあります。

その中で、サッカーの試合を見ていただくだけじゃなくて、社会課題を解決するような活動をしていこう、Jリーグのクラブを通してやっていこうという流れがあります。

食品を回収するというだけなら私たちだけでもできるんです。でも、届ける先がわからないんです。NPO団体や地域の人たちと結び付けるのはサッカークラブにしかできないことです。

――少し意地悪な質問ですが、クラブがそう考えたとしてもサポーターとしてはどうしても試合結果やチーム強化に話題がいきます。実際にフードドライブに協力してもらうにはどう考えたのでしょうか?

サポーターの理解を得るためには、「活動自体がどこかで役に立っているという流れ」がないといけないと思っています。

食品を回収するだけだと(社会的には意義があっても)賛同を得にくいなと私たちも考えました。その先で誰に届けるというのをちゃんと伝えて、皆さんの活動がちゃんと地域に還元されているんだよねと伝えることが大事だと思っています。

今回のケースでいうとやっぱり地元のサッカーファンもメインは今治・愛媛の方です。その方々から協力いただいて、愛媛の方で食品が寄付されるというところが大事かなと思っています。集めたものを、その地域内で配るというのが一番理にかなっていると思いますので。

――サポーターにはサッカークラブは地域の代表でもあるという誇りを持ってほしいですね。そういう食料品を手にした子供たちがまたサッカーを始めて、愛媛のユースに入って、将来サッカー選手になっていくとかそういうストーリーは夢がありますよね。他にもこのような社会活動は進められる予定はあるのでしょうか?

最近では秋春制や春秋制の議論も活発ですし「気候変動」の部署がJリーグにあったりしますよね。

その気候変動と関連するところで、「家電のリサイクル」はフードドライブと同じくかなり社会的に役に立つのではないかと考えています。

携帯とかPCで本体はともかくケーブルやマウスのような周辺機器って余っていたりするじゃないでしょうか?そうしたものが、役に立つそうなんですよね。

――「フードドライブ」以外にもエコでSDGsな取り組みが広がっていきそうですね。実際、マッチデー当日に「フードドライブ」をやってみていかがでしたでしょうか?

事前にFC今治のパートナー企業や地元企業の方々から沢山のフードを寄付いただいたことに加えて、当日も観戦前に多くの方がブースに立ち寄ってくださいました。

皆さんのご協力で目標の量を上回る、700kgを超えるフードが集まり、地元の福祉団体の皆様に喜んでいただくことができました。

予想を超える盛り上がりで、みなさんの社会課題への意識の高さが伺えました。また、このような活動に積極的に取り組んで地域活動に貢献したいと思います。

フードドライブもスタジアムまで行かなくても例えば周辺の駅で行う拡大路線も考えています。

――ありがとうございました。

(編集後記)
ちなみに今回のフードドライブで賛同された企業は以下になるそうだ。

<ご協力いただいた企業様>(敬称略・五十音順)
・株式会社 愛南サン・フィッシュ
・株式会社アリスタ・木曽
・イヨスイ株式会社
・越智今治農業協同組合
・株式会社四国シキシマパン
・デロイト トーマツ グループ
・日本食研ホールディングス株式会社
・はなき農園(はなきファーム)
・株式会社母恵夢本舗
・みらい株式会社

海外ではサッカークラブはその地域の象徴で、スタジアムには百貨店やレストランが併設されており生活の基盤になっているケースも珍しくない。

日本でも、サッカークラブはスポーツを超えて地域貢献、社会的インフラとしてこれからは存在していく未来もそう遠くはないだろう。

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