偉大な前任者から託されたバトン

これまで同校は黒田剛監督指揮の下で高円宮杯3回、全国高校選手権3回、全国高校総体2回優勝と青森県の中堅校を全国屈指のチームへと育て上げた。ただ黒田監督は28年間務めた青森山田高を離れ、今季から町田の指揮官に就任した。名将からバトンを引き受けた正木監督に胸中を聞いた。

――2004年から19年山田で指導されていますけど、監督とコーチの違いを教えてください。

簡単にいえば「責任がすべて私になった」という点です。コーチと監督の違いは責任だと思っています。責任がすべて自分にのしかかってくる。いままでの19年間は黒田前監督がいて、自分でも責任があるぐらいの気持ちでやってはいましたけど、ただどこか黒田監督が全責任を背負う形になっていました。

監督になって1番は誰に頼ることなく、自分で責任をしっかり背負ってやることが1番変わったことです。大変なことは、ずっとコーチ時代からも選手が毎年変わりますし、いろんな生徒もいます。そこはそんなに大きく変わっていません。

ただサッカー以外のところで若干仕事が増えました(苦笑)。そこはこれからもきちっとこなしていかないと駄目だと思っています。

――黒田前監督が偉大な歴史を築いてきました。引き継ぐ際にをのプレッシャーはありましたか。

もちろん(高校サッカー)日本一の組織を引き継ぐということで、相当なプレッシャーがありました。

ただ、プレッシャーを感じている暇もないぐらい生徒たちと、どんどん次から次へといろんなことを経験しました。じっくりプレッシャーを感じたというよりは、逆にやりがいのほうが大きかったという気はしています。