ただ、当時サンフレッチェ広島のエースとして欠かせない選手であった佐藤寿人に謹慎を言い渡すのは、森保一監督でもかなり大きな葛藤があったようだ。
佐藤「引退してから指導者のライセンスを取っていますが、自分にとってはすごく大きな財産になったと思います」
森保「でもね、あのときの話で言うと…実はペナルティなしで練習しようかなと思ってたんですよ。でも鹿島戦のことを振り返って考えたときに、『このまま練習したら、それを他の選手も見ているよな』と思って。
他の選手はどんな状況だったんだろう、どういう考え方だったんだろうと思った時に、これはちょっと申し訳ないけどチームから外れてもらう…と考えないといけないと思って。
でも、寿人はチームにとってすごく大きな存在で大きな戦力だったので、外す側からしたら『勝つ確率が落ちる』。結構な葛藤がありながらも、チームとして必要な決断をしなければいけないと思いました」
公の場で不満を表したエースに対し、チームの和を乱す可能性を感じて謹慎を命じたという森保一監督。佐藤寿人もその経験が大きな財産になったとのこと。