Jクラブに3連勝!オシムの継承者が率いる三重
JFL8年目となるヴィアティン三重は、三重県勢初となるJリーグ参入を今季で決めようとしている。これまで数々の強力な選手を加えてJ参入を目指してきたが、最高順位は2020年シーズンの6位と険しい壁にはじき返されてきた。絶対的エースFW田村翔太を筆頭に、強力な新戦力を加えた三重はプレシーズンから実力の片りんを見せている。
新加入選手※()は前所属チーム
GK
折口輝樹(富士大)、松本龍典(ヴェルスパ大分)
DF
伊従啓太郎(カマタマーレ讃岐)、饗庭瑞生(ヴァンラーレ八戸)、篠原弘次郎(VONDS市原)
MF
稲福卓(松本山雅FC※育成型期限付き移籍)、大橋尚志(大宮アルディージャ)、服部航平(レイラック滋賀FC)、楠本羽翼(FC岐阜※期限付き移籍)、野口竜彦(ファジアーノ岡山)
FW
瀬尾純基(ソニー仙台)、木戸皓貴(ラインメール青森)、加倉広海(ティアモ枚方)
計13選手が加わり、Jリーグクラブ経験者は9人(折口はセレッソ大阪U-23時代に経験)と戦力の増強に成功することができた。
GK折口は昨年の総理大臣杯で富士大を史上初となる日本一に導いた逸材であり、セーブ力に定評がある。
C大阪U-18時代には2019年シーズンにC大阪U-23のメンバーとしてJ3第25節北九州戦に出場し、FW町野修斗(現ドイツ2部ホルシュタイン・キール)を完封するなど優れた実力を見せつけた。複数のJリーグクラブが動向を追っていたが、地元愛知県の隣県三重でシニアキャリアを始める。
DFラインは左右の高精度ロングフィードと188センチの高身長を駆使した空中戦を得意とする伊従、対人守備とチャレンジに定評がある饗庭、絶妙なバランス感覚と安定感がある篠原とJリーグでプレーした新戦力に、既存のDF谷奥健四郎、DF野垣内俊と元Jリーガーがいるため守備陣の層はリーグ屈指レベルと考えられる。
中盤もツエーゲン金沢や大宮で実績豊富の大型MF大橋に、精度の高いレフティー野口が加わった。昨季JFLで9アシストを挙げたMF安西海斗も在籍しているため、中盤の構成力にも期待ができそうだ。
今季から昨季東海社会人リーグ1部でwyvernを無敗優勝に導いた間瀬秀一監督が就任し、優勝を果たすためのチームビルドに励んでいる。これまで元日本代表監督イヴィチャ・オシム監督の下で通訳を務め、ブラウブリッツ秋田、愛媛FC、モンゴル代表の指揮官を歴任した名将の手腕はプレシーズン中に片りんを見せ始めている。
プレシーズン中にJリーグクラブ5チームと対戦して3勝1分1敗と好調であり、先月24日にJ1名古屋グランパスに2-1、25日にJ3岐阜に3-2、今月3日にJ3カターレ富山に3-1と怒とうの3連勝を飾った。特に名古屋と岐阜は中ゼロ日での対戦であるため、メイン、サブ問わずチーム力の高さを見せつけた。
エース田村が練習試合5試合6得点と絶好調であり、既存戦力の活躍も目立っている。前線、中盤、後方に隙が見当たらない総合力の高い三重が、Jリーグ参入を目指して大暴れする。