この勝利から低迷脱却へ

札幌は今季リーグ戦で2勝5分15敗の勝点11で20チーム中最下位と苦しいシーズンを送っている。現在8連敗中と低迷しているが、この試合で公式戦6試合ぶりの勝利を手にした札幌は、勢いそのままにリーグ戦での勝ち点奪取につなげたい。

「試合が始まる前の円陣のときから、みんなすごく声を出していた。本当にみんなが一人、一人が声を出してすごい盛り上がりを感じました。自分もその中ですごく頼もしいなと思ってた。そういう選手たちの『やってやろう』という気持ちがすごく伝わった試合だと思う。結果にも表れたしすごく良かったと思います」

この日は大卒ルーキーのMF田中克幸とDF岡田大和が揃って2得点を挙げた。双方プロ初ゴールから爆発する活躍を見せ、大卒2年目のストライカーFW大森真吾も今季公式戦初得点を挙げた。チームはリーグ戦5試合ゼロ得点と決定力に苦しんでいる状況だったが、若手の活躍により光明を見出せそうだ。

駒井は「本当にいい形でのコンビネーションからのゴールや、クロスから入ったりとか、各々のテクニックが随所に発揮されたゴールだったと思います。普段リーグになかなか絡めていない選手たちの『自分もできる』というアピールになったと思う。本当に自信につながったと思うし、次またリーグ戦で出せればいいなと思います」とこの日活躍したイレブンを称賛した。

一方でリーグ戦43失点と全チーム中ワーストの守備面も大きな課題を抱えている。この日はディヴィジョンが低い山形相手に3失点を献上してしまった。残留を勝ち取るには守備のテコ入れも必要不可欠だ。

「寄せる部分であったりとか、『マンツーマンでいく』と決めているので、誰が誰に(マークを)受け渡したときの対応とかがルーズになってしまう場面もありました。3失点目もそうでしたけど、『誰が行くか』という中で声が出ていなかった。そういうところをもっとはっきりさせていければ、もっともっと改善できると思う。リーグになかなか出ていない選手たちが一生懸命やってくれた結果、3失点してしまったんですけど、課題も見つかったと思う。それを各々しっかりと次に改善できるようにやっていければいいんじゃないかなと思います」

チーム一丸となって気を引き締めなければいけないと背番号14は強調する。この日豪雨の中でときには華麗に、ときには泥臭く攻守に奮闘した今年32歳になったベテランの姿は若きイレブンの意識を高める見本となった。次節リーグ戦は出場できないが、若手選手たちにしっかりバトンを託した。

決勝点を挙げて仲間たちに祝福を受ける駒井(右から2人目)

「自分がしっかりとゲームの中心となれるように自覚を持って、若いからとかじゃなく『自分が試合を変えてやる』、『チームを助けてやる』という気持ちを持って臨んでほしいと思います」と次節神戸戦に出場する選手たちにエールを送った。

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次節神戸戦は13日午後2時にホーム・札幌ドームで開催される。駒井にバトンを託された選手たちが昨季J1王者を打ち破り、リーグ戦9試合ぶりの白星をつかんでみせる。

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