[総理大臣杯1回戦松本大(北信越1部)4-2北海道教育大岩見沢校(北海道1部)、4日、宮城・みやぎ生協めぐみ野サッカー場Cグラウンド]

松本大が4-2で北海道教育大岩見沢校を下して1回戦を突破した。変幻自在のドリブルとアイディアを駆使した個性派イレブンが北海道の全国大会常連校を打ち破って同校史上初となる全国大会勝利を挙げた。

前半10分にFW宮入寛大(かんた、4年、長野・松商学園高)がペナルティーキック(PK)で先制弾を突き刺すと、口火を切ったようにイレブンは躍動した。後半8分にMF村上慧斗(3年、愛知・東海学園高)、同13分には再び宮入が追加点を決めて北海道教育大岩見沢校を圧倒。その後は2失点を喫するも、試合終了間際の同50分にDF北野大和(3年、長野・東京都市大塩尻高)が頭で4得点を奪って試合を締めた。

この日トップスコアラーだった宮入は2得点目を決める直前にPKを失敗。冷や汗をかく嫌な雰囲気が立ち込めたが、続くコーナーキックからのセットプレーでチーム3得点目を奪って流れを持って行った。

「決まった瞬間はホッとしましたね。PKを外したときは焦りましたけど、直後にコーナーキックになって『ここで1発決めないとな』と責任を果たせたと思います」と安堵(あんど)していた。

2得点目を喜ぶ宮入(左)

全国大会出場4度目での初勝利にチームは歓喜に沸いていた。これまで同大はJ3松本山雅にMF濱名真央(現在はJFLアトレチコ鈴鹿クラブに期限付き移籍)、J3・AC長野パルセイロにMF青木安里磨(現・北信越社会人1部アンテロープ塩尻)とJリーガーを2選手輩出したが、この二人を有したチームでも全国大会で勝ち星をもぎ取れなかった。それだけに齊藤茂監督の喜びもひとしおだ。

指揮官は「勝利するまで高い壁だったので、学生には1個勝ったら景色が変わると思うから、まずそこに立ってみたいという話をしていたので、本当に良かったと思います」と感慨深い表情を浮かべた。

同大は選手各々の持ち味を尊重するスタイルが売りであり、ドリブルに秀でた選手、ヘディングが強い選手、身体能力に優れた選手とさまざまだ。「攻撃は個人のアイディアを大事にしていて、僕は自由が1番強いと思っています」と齊藤監督がいうように独特なリズムの攻撃が続いた。先述したドリブルやパスに優れた濱名を筆頭に同大を卒業した後もユニークなプレーを見せるOBが多い。

この日ゲームキャプテンを務めたMF稲垣快大(かいと、4年、千葉・中央学院高)はトップ下で出場し、コーチングをしながらイレブンをしっかりとまとめた。「チームの士気を高めながら、みんなが思い切ってプレーできるようなプレーや声がけをして自分が引っ張っていけるように心がけました」と調整役の活躍もあって初白星を手に入れた。

個性派イレブンを統率した稲垣

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2回戦は6日午前11時にみやぎ生協めぐみ野サッカー場Bで同大会優勝3度の強豪・関東大学1部国士舘大と対戦する。宮入は「勝利はうれしいですけど、まだ何も始まっていません。チームの目標がベスト8なので、次も自分たちのサッカーをして勝ちたいです」と意欲。個性派集団の快進撃は始まったばかりだ。

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