EURO2004にロシア代表のメンバーとして出場したDFアレクセイ・ブガエフが、違法薬物の密売に関与したとして懲役9年半を言い渡された。
アレクセイ・ブガエフは1981年生まれの43歳。トルペド・モスクワとトミ・トムスクで活躍し、2004年にはEUROのメンバーに選ばれたほか、名門ロコモティフ・モスクワへのステップアップを果たしたディフェンダーであった。
ロシア代表として7試合に出場したものの、その後はアルコール依存症などに苦しんだためキャリアが下降し、2010年に20代で現役を引退している。
『AS』によれば、ブガエフが密売を試みていたのは咳止めや鼻詰まりの治療に使われるメチルエフェドリンであるという。
メチルエフェドリンはメタンフェタミンに近い物質で、大量に服用した場合には覚醒剤と同じように気分の高揚を感じられる薬物。
以前は市販薬にも使われていたものの、脱法ドラッグとして乱用されるケースが相次いだために現在は多くの国で違法薬物に指定されている。
ブガエフは現行犯として逮捕される直前、メッセージアプリで犯罪組織から薬物の貯蔵庫の座標を受信し、隠し場所からメチルエフェドリンを持ち出したとのこと。
その後ブガエフはリゾート地のソチに向かう予定であったが、その途中で当局に検挙され、ポケットの中から薬物が発見されたため身柄を拘束されていた。
逮捕されたブガエフは薬物密売の意図を否定していたものの、後にその罪を認めたという。また警察との司法取引にも応じ、犯罪組織の撲滅に協力すると約束したそうだ。
通常では20年ほどの懲役が言い渡される可能性があったものの、自ら罪を認めたことで刑期がかなり短縮されることになったよう。