立つんだ丞
今季の相馬はJリーグYBCルヴァンカップ1試合、リーグ戦1試合の公式戦計2試合に出場した。
3月13日にリーグ杯1回戦J3カターレ富山戦でプロデビューし、5月6日の第14節アウェー山口戦でリーグ戦初出場を果たした。両試合で先発出場と順風満帆なスタートを切ったかに見えたが、その後は試合に絡む機会がなかった。
「いい波が来ているときに2、3カ月ぐらいの離脱をしてしまったので、そういうところを含めたらケガがなければ、上まで行けたかなと思っています。いまは身体が動くようになってきたぐらいなので、ここからまたコンディションを上げていきたいです」と振り返った。
激しい競争、負傷離脱も重なって思い描いた活躍を披露できていない相馬だが、闘争心は潰えていない。仙台大時代も度重なるケガにより大一番で出場機会を逃した過去もあったが、何度も谷底からはい上がるように復活を果たして並外れたパフォーマンスを見せてきた。
「自分の持ち味は対人なので、もっと強みを出して圧倒的になっていくべきと思っています。試合に出て(成長の)実感がついてくるのかなと思っていて、その中でまだ試合に出られていないので、残りの試合に出て『自分が成長している』という実感をしていきたいと思います」と言葉に力を込めた。
身体能力以外にも、飛距離と精度に秀でたロングフィードなど足元の技術も光るものがあり、攻守に大きなポテンシャルを秘めている逸材だ。悲願だった古巣復帰を成しとげた期待の新人は可能性ではなく、結果で示そうと高いモチベーションを見せている。
「自分にとって残りの試合に出られるか、出られないかで自分の評価と自信も変わってきて次につながってくると思う。メンタルの部分も含めて負けずに強気でやってきたいです」と決意を口にした。
これまで何度も悔しい思いを重ねてきた相馬。高校3年時は天皇杯でベンチ入りを果たすも、トップチーム昇格を見送られた。そして仙台大時代は度重なる負傷により、何度も苦しい時期を過ごした。
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だが背番号29は何度も立ち上がり、奮闘してきた。立つんだ丞、今季重ねてきた悔しさを次節清水戦にぶつけて2021年シーズン以来のリーグ戦6連勝に導く。
(文・撮影 高橋アオ)