旗手怜央
川崎フロンターレ在籍:2020~2021年
旗手怜央ほど鬼木監督から「さまざまなことを求められた選手」もいなかったのではないだろうか。
大学3年の7月に川崎フロンターレ加入が発表された、東京五輪世代屈指のアタッカー。しかし、同期に三笘薫という“怪物”がいたことから加入1年目の2020年はさまざまな思いが去来する中でのプレーを余儀なくされた。
ところがシーズン終盤、登里享平の怪我に伴い、鬼木監督は旗手を左サイドバックのポジションで起用。そこでの吹っ切れたようなプレーが、高い技術と攻守のダイナミズムを備えた今に通じるスタイルを開眼させた。
翌2021年夏に三笘と田中碧が移籍して以降、絶対的な主力となった旗手。主にインサイドハーフのポジションで、時に涙しながらも自らを奮い立たせ、見事リーグ連覇の立役者の一人となった。
山根視来
川崎フロンターレ在籍:2020~2023年
山根視来は、2020年に川崎フロンターレへ加入していなければおそらくカタールワールドカップ出場を果たせなかっただろう。それだけ山根は、当時の川崎にハマった。
湘南ベルマーレでアタッカーから3バックにコンバートされ、攻撃センスあふれるDFとして注目を集めていた山根。一方の川崎は山根加入の前年、退団したエウシーニョの穴を埋めることができず3連覇を逃していた。
そうしたなかで加入した山根に、鬼木監督が与えたのが4-3-3の右サイドバックというポジション。前に家長昭博、斜め前には脇坂泰斗や田中碧という環境を得て、山根は持ち前の攻撃性能とタフさを存分に発揮させた。
日本代表に初招集された2021年3月の韓国戦でいきなり初ゴールを記録し、川崎の選手としてワールドカップへの道を切り開いた山根。最後は天皇杯優勝を置き土産にLAへと旅立っていった。