今年、16年ぶりとなる明治安田J1リーグ復帰を果たした東京ヴェルディ。
就任3シーズン目の城福浩監督に率いられたチームは、序盤こそ勝点を積み重ねることに苦労したが、36節終了時点で堂々の6位につけている。
そんな今季のヴェルディにおいて、記念すべきJ1復帰初ゴールを決めたのが山田楓喜だ。
京都サンガF.C.から期限付き移籍で加わった攻撃的MFは、横浜F・マリノスを国立競技場に迎えた開幕戦、開始7分に鮮烈なフリーキック弾を記録。シーズン最初の“緑の歓喜”を生み出してみせた。
23歳のレフティはその後もフリーキックなどで計5ゴールを決めているほか、夏にはU-23日本代表としてパリ五輪にも出場した。
そこでQolyは、今年のヴェルディで鮮烈な印象を残した一人である山田に単独インタビューを実施。
前編では、パリ五輪前後でのプレーの変化や、アカデミーを含めた京都サンガF.C.時代、同じ2001年生まれのレフティ久保建英、そしてヴェルディへの期限付き移籍を決断した理由などについて聞いた。
(取材日:2024年9月10日)
“本物”スペインとの対戦で知った世界との差
――まずは、ご結婚おめでとうございます。
ありがとうございます。
――すごく暑い日が続いていますけど(※インタビューは9月に実施)、今年の夏、暑さ対策で山田選手が意識していたことがあれば教えてください。
サウナが好きなのでサウナへ行ったり、練習後に交代浴とかアイスバスで体を冷やすといったことはずっとやってきたのでそれは継続しています。
あと食事は奥さんに頼んで、さまざまな面を考慮しながらいろいろ作ってもらっているのでそこは大きいかなと思います。
――やっぱりサウナは整いますか?
入りたての頃は友達に誘われて入って「何がいいんだろう」と思っていたんですけど、3回目4回目くらいから“整う”というのが分かってきて、そこからはもうサウナーになりました(笑)。
――パリ五輪から戻ってからリーグ戦ではずっとスタメン出場。五輪の前と後でご自身の中で変化というのはありました?
オリンピックへ行って、スペインに負けて帰ってきたんですけど、そのスペインとやるまでのグループリーグの戦い方は正直「こんなものか」くらいに思っていました。同年代の世界の選手とやって、「全然いけるな」と。
でも、スペインとやってからはそう思っていたものが一気に変えられて、同年代でもやっぱり“本物”は違うんだなと感じました。スペインはあれでも5、6人くらい(主力が)いないと思うので、そのスペインでも、あれだけボコボコにされるということは、何か“ちょっとしたこと”の差があったんだと思います。
でも逆に、その“ちょっとしたこと”を自分たちも突き詰めてやっていければ全然世界でも敵わない相手ではないなというのは感じたので、その両方ですね。「世界はすごいな」と感じたとともに、この差を埋めれば逆にここまでいけるのかという、これ以上になれるのかと感じました。