株式会社札幌ドームは協議中のためと一点張り
まず大和ハウスプレミストドームの指定管理者である株式会社札幌ドームに「過去に北海道コンサドーレ札幌から落下防止対策の要望を受けたか」と問い合わせると、同社関係者からは「現在弊社とコンサドーレさんとの間で対応について協議しているので…」と歯切れの悪い回答が返ってきた。
同社関係者に質問した内容を一部箇条書きすると、
・呉屋選手の落下事案の受け止め
・安全防止対策に不備があると思うが、そこの認識について
・施設の安全管理上インシデントと思えるが、謝罪声明を出す意思はあるか
などの質問を投げかけたが、「協議中のため」の一点張りだった。
また「施設の安全対策としてコンクリート床にウレタンやマットを敷くなど、御社に安全対策を実施する決定権があると思いますが」と質問すると、「設置する、設置しない含めて我々の方で決定権があるというわけではなくて、いろいろなイベントをする中で、コンサドーレさんだけでなく、各主催者様との協議を行います」との回答を得た。
工事現場などの高所作業時(高さ6.75メートル以上の高所作業、および建設業などの高所作業において、高さ2メートル以上の箇所で作業床が設けられない場合)はフルハーネス(フルハーネス型墜落制止用器具)の着用義務が労働安全衛生法によって規定されている。
落下防止用の柵を設置しているとはいえ、3度発生している事案に何らかの対策を実施しなければならない。
高低差約3メートル弱からコンクリート床に落下すれば、当たり所が悪ければ脊椎損傷により下半身まひ、脳挫傷などによる障害、最悪死亡する可能性もある事案だ。
今回の落下事案は安全管理上の重大なインシデントと思えるが、事案についての声明を今月11日21時時点で同社はリリースしていない状況だ。
また同会場を本拠地とする北海道コンサドーレ札幌は「前回のロペス選手が落ちたときに、選手たちに(会場の)構造を各選手に認識してもらう形でもう一度周知を徹底しています」と回答した。
ただアンデルソン・ロペスがステージ上から落下した際に、株式会社札幌ドームに落下防止対策の要望を出したかと問い合わせると、「当時の担当者と連絡がつきません」と返答した。クラブとしてはこの事案について指定管理者である同社と協議した上で対応する考えだという。