J2のV・ファーレン長崎は27日、2022年~2023年に指揮を執ったファビオ・カリーレ監督、およびレアンドロコーチ・デニスコーチ・セザールコーチからの一方的な契約破棄に関して、和解協議を打ち切り、この問題に決着を付けるため、東京地裁への提訴を決定したことを発表した。
長崎は2023年12月4日、当時のカリーレ監督と契約更新を発表。しかしその後、初の2部降格を喫したブラジルの名門サントスがカリーレ監督の復帰を発表し、いわゆる「二重契約」の状態となったことが大きな波紋を呼んだ。
翌年1月12日に両クラブは会議を実施。その場でサントスは長崎に謝罪したものの、カリーレ監督の契約を解除するための違約金に関して、サントス側はクラブの財政事情から減額を要請。長崎がこれを固辞すると、直後にサントスはカリーレ監督の就任に関する公式リリースを行い、その中で長崎との契約が未締結であるかのように言及していた。
これを受け、長崎は2024年2月、国際サッカー連盟(FIFA)に対し提訴したが、FIFAでは管轄外であることから裁定ができないという決定がなされたそう。
そこでクラブは、東京地裁への提訴準備を進めると同時に、ともに勝利を目指して戦った仲間と争うことは本意では無いため、カリーレ氏らの代理人と和解に向けた協議を実施。カリーレ氏らに対し、クラブおよびサポーターに対する謝罪を求めるとともに解約金の大幅な減額提示も行ってきたという。
この和解協議においては、カリーレ氏らの代理人から、カリーレ氏らとしても、クラブおよびサポーターに対して謝罪する意思があると回答があったため、具体的な謝罪文の提示を求めてきた長崎。
しかし、期限を過ぎてもカリーレ氏らから連絡はなく、正式な謝罪文を受け取ることができなかった。その後、最終通知書を送付し、最後の協議の機会を設けたが、これに対してもカリーレ氏らから返答はなかったため、今回、「大変遺憾ながら」東京地裁への提訴に至ったとのことだ。
長崎は今後も状況に進捗があり次第、クラブ公式にて報告するとしている。
なお、昨季サントスを1部へ復帰させたカリーレ氏だが、結局1年で退団。今年からはこちらも名門のヴァスコ・ダ・ガマで監督を務めている。