[J2第9節ベガルタ仙台 0-0 FC今治、4月12日、宮城・キューアンドエースタジアムみやぎ]
仙台は今治とスコアレスドローに終わり、3試合連続無失点となった。この日は得点ランキング7ゴールでトップタイの今治FWマルクス・ヴィニシウスが先発するも、今季名古屋グランパスから加入した仙台DF井上詩音が見事に抑え込んでクリーンシートに貢献した。昨季はリーグ戦2試合に留まったフィジカルモンスターが新天地で輝きを放った。
仙台が誇るフィジカルモンスターが完封勝利に貢献
まさに守備の要といえる活躍だ。先発出場した井上は、今治のFWウェズレイ・タンキ、FWヴィニシウスの強力ブラジル人ツートップを出足の早いカバーリングと優れた跳躍力で完封。タンキをシュートゼロ本、ヴィニシウスをシュート2本に抑え込んでみせた。
「外国人選手は身体能力の高い選手が多いので、そういう選手とやるのはすごく楽しいです。 実際に2年前のACL(アジアチャンピオンズリーグ)をとおしてすごく楽しかった。
実際にこうやって長崎のジェズス選手や、磐田のジョルディ・クルークス選手やマテウス・ペイショット選手、きょうもすごく強い選手やれて楽しかったです。ゼロで抑えたので本当に良かったと思います」とはにかんだ。ただチームは今治にシュート10本と押し込んだが、決定機を仕留めきれなかった。いい守備からいい攻撃につなげるようにロングフィードなどで攻撃の起点を作り、セットプレーで攻撃参加した井上の奮闘も空しくドロー決着となった。
「ピンチというピンチをあまり作られなかったので、そこはすごくポジティブに捉えています。 ただ勝ち切れなかったことがすごく悔しいですね。 きょうのゲームは僕たちの方がシュートも倍くらい打っていましたし、チャンスもありました。後ろがゼロで守れば勝点も取れるので、最後のところをしっかり決め切れれば…」
これまで仙台は優位な展開で押し込む場面を作れても、攻守の切り替えが早い相手のカウンターで失点する場面が多々あった。
仙台もカウンターを持ち味にしているチームだが、ボールを持たされる展開からカウンターで被弾する欠点を克服しなければならない。ただこの日は素早い攻守の切り替えを持ち味にする今治相手に後れを取らなかった。
「水戸、磐田とやったときにカウンターから失点して、実際に勝点をこぼした試合があったので、『そこのトランジションの部分は気をつけて切り替えを早くやっていこう』とチームの中で言ってやっています。
実際にトランジションのスピードや、ピンチになる前にプレーを一旦切る部分をしっかりみんなで整理してやれていることが3試合連続無失点という結果につながっているのかなと思います」と胸を張った。
井上を筆頭に仙台イレブンはボールを奪われても素早く寄せてピンチの芽を摘む切り替えの早さで弱点を克服しつつある。