新たな槍がデビュー戦で初アシスト

後半はホームチームのペースで試合が進んだ。

千葉の小林慶行(よしゆき)監督は対人に強いFW呉屋大翔(ひろと)とMFエドゥアルドを投入。イレブンはルーズボールを収め、試合の主導権を握った。

同点弾は後半24分に生まれた。

ピッチ中央で相手をはがした髙橋が再びイサカへパスを供給。右サイドでボールを受けた同選手が体勢を崩しながらもマイナスにグラウンダークロスを上げると、最後は椿がトラップから右足一閃(いっせん)。ボールはゴール右上に突き刺さり、千葉がゲームを振り出しに戻した。

サイドからチャンスを演出したイサカ

「壱晟が個で(相手を)はがしてくれて、いい形でボールを受けられました。マイナスの位置は前半から空いている感覚がありましたし、大翔くんからも『あそこに入れてほしい』と言われていた。

とにかく速いボールを入れようと思い、それがバッキー(椿)まで流れて、最後はゴールに沈めてくれたので、本当にクロスを上げる価値があると思いました」と加入後初アシストを記録した。

勢いに乗った千葉は同30分に、途中出場のMF日高大(まさる)がボックス前から直接フリーキックを叩き込み逆転。そのまま逃げ切りたかったが、8分後にはセットプレーからいわきDF深港壮一郎(ふかみなと・そういちろう)にヘディング弾を決められた。

相手DFとの1対1を繰り返したイサカ(左)

試合はそのまま2-2で終了。イサカは最後までハードワークし続け、千葉の新たな槍として存在感を放ったが、「悔しさが残ります」と唇を噛んだ。

「ホームで最高の後押しがあったからこそ、勝ち切りたかった。逆転はできたので、もう1、2得点取るような攻撃を突き詰めていきたい」と次節こそ勝利したい。

千葉は今月9日の午後7時からNACK5スタジアム大宮で4位のRB大宮アルディージャと対戦。第14節の国立競技場で敗れた難敵へのリベンジに燃える。

イサカは離脱中の田中らに代わり、自分がチームを率先していくと誓った。

いわきの脅威となり続けたイサカ

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「和樹や他の選手がここまでやってきた想いを背負わなければいけないですし、自分はそれを求められて(千葉に)移籍してきた部分もある。優勝や昇格が狙えるチームなので、それを達成するためには必ず自分の力が必要になると思っています」と、イレブンは17季ぶりのJ1復帰に向かって再発進する。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)

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